SimpleLifelog管理人のShin(X:@simplelife_log)です。
最近はブログ初期によく書いてた転職やキャリアの事についてはあまり触れてきませんでした。
今回は現役ネットワークエンジニア歴8年の私が、何故IT業界でも少数とされるネットワークエンジニアを選んだか・どのようにしてなれたのかを紹介したいと思います。
また、これからネットワークエンジニアを目指したい方のために、転職のポイントやおすすめの資格についても紹介したいと思います。
はじめに:ネットワークエンジニアとは
転職サイトdoda(デューダ)において、ネットワークエンジニアの仕事は以下のように説明されています。
ネットワークエンジニアとは、主にネットワークの要件定義、設計、構築、監視、運用・保守といった、ネットワーク関連全般に関わるエンジニアのことです。活躍の場は、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や通信会社、システム開発会社などさまざまです。
管理人Shinの学歴・職歴
- 美容師 5年
- コールセンター(通信系) 1年
- システムテスト 3ヶ月
- ネットワーク運用 2年
- フィールドエンジニア(住宅設備関係) 5年
- カスタマーサポート(ソフトウェア系) 2年
- ネットワークエンジニア8年 ←今現在
学歴は高卒でIT業界とは全く無縁の仕事をしていました。
❹で一度ネットワーク系の職に何とか就けたものの、離職に至った理由も後ほど紹介します。
私がネットワークエンジニアに転職した理由と経緯

ネットワークエンジニアになった理由を結論から書くと、『最初からなりたかった』わけではなく、色々なことがあって結果的にネットワークエンジニアになったが正しいです。
どのような経緯だったのかを紹介します。
「安定し稼げる仕事」でIT業界を選んだ
上の項目にも書いたとおり、私が高卒で最初に選んだ職種が美容師で、今現在は多くの方が周知のとおり経済的には安定し難い仕事。
なんとか美容師として18歳の時から5年間頑張って仕事をしてきて、経済的に安定しない・かつ体力勝負でしかない仕事はさすがに継続困難と判断し、転職先の業界を探しました。
元々他の業種や業界にはそれほど興味がなく、当時(2007年)においてもIT業界は何かキラキラしたお洒落なイメージを持っていて、転職サイトも『未経験からエンジニアになれる』と謳っている会社が今以上に多かったと記憶しています。
初転職先の希望として以下の条件を念頭に置いていたため、IT業界のエンジニアとして働く事は自分のニーズにマッチしていました。
- 立ち仕事ではない
- 接客業ではない
- 水や薬品に触れる仕事ではない
- 屋外の仕事ではない
- 土日祝日が休みである
- 9:00〜18:00といった”定時”が決まっている
- 休憩時間がきちんとある

自分の限界を突破するような仕事を選んでしまったら、数年は継続できたとしても燃え尽きた後に通常の生活に戻すことは大変です。
令和の現代においては、このような方向性で自分が進む職種を考える方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、高校の専攻も理系ではない・偏差値もそれほど高くなく成績も中の中くらいだった私にはどのようなとっかかりがあればそのような職に就けるのか見当もつきません。
色々模索している最中に当時勤めていた美容室のオーナーとの折り合いの悪さから、半ば解雇のような形で退職する流れとなりました。
東京で一人暮らしを始めたばかりだし、これはゆっくり転職活動をするのは無理だな…
そんな感じで、すぐにでも働ける職場が自分には必要でした。
まずはコールセンターで働いた
2000年代初頭はスマホなんてもちろんないし、パソコンを持っている事も自分の周りではあまり一般的ではありませんでした。
まずは今までの店舗での接客業務から、デスクワークに移行する必要があると思い通信系のコールセンターで派遣社員として働きながら勉強する事に決めました。
その考えは間違っていなかったようで、働きながら今まで一度も使った事がなかったExcel・Word・PowerPointの操作ができるようになり、ブラインドタッチも習得できました。

そうだ!プログラミング言語を勉強しよう
そう考えて、プログラミング言語”Java”の勉強と基本情報技術者試験の勉強を始めました。
勉強の末、Javaプログラマの資格試験に合格。基本情報は不合格。
とりあえずIT業界に未経験で入れそうな材料は何とか揃ったので、システム会社に中途入社です。
まだ24歳と若かったし、勢いで退職したり転職することも躊躇がなかったと思ってます。
しかし、業界の研究がまだ浅く、何となくで決めた中小企業への転職は失敗でした。
3ヶ月だけシステム会社で働く
勉強しながら通信系のコールセンターに1年ほど勤め、周りからも自分の仕事は評価していただけるようになりました。
契約社員として直接雇用のお誘いもいただいたのだけど、もう少し高度な職種にやっぱり憧れたし、自分の決めた道を曲げたくなかったです。
そんな中、何となくで応募した東京都下にある中小規模のシステム会社へ正社員として内定が決まります。
当時立川市に住んでいたから、自宅から近い会社であるのが決め手でしたが、結局そこも”別の現場でSEとして働く特定派遣”を中心にしている会社で配属先はあまり近くはない埼玉県の某所となりました。
仕事の内容は、金融系システムの移行に関わるシステムテストだったと記憶しています。
今のネットワーク関連の仕事とは結構内容が違って、バッチ処理(特定の構文を書いてシステムが行う操作を自動化する)などがメインでした。
難しいながらも仕事の内容はそれほど期待外れのものではありませんでした。
しかしながら勤めていた会社に地方の中小企業特有の文化が色濃く、本業以上に自社への連絡や行事ごとが多くサービス残業も増え、高圧的な方も多い職場だったためたったの3ヶ月で体調不良による退職・東京での生活から退場する結果となってしまいました。
また、給与などの待遇面についても時給1200円で働いていたコールセンター時代の収入以下となってしまい、それも東京での生活が破綻した要因です。

インターネットが現代ほど発達していなかったにしても、当時の2ちゃんねるを見ればその会社の悪評などすぐに出てきたし、事前のリサーチは本当に重要です。
初めて東京で生活していた時の話はこちらの記事に詳細を書いています。
とりあえず地元に戻りネットワーク運用の仕事に就く

私の地元である愛媛県松山市でIT系の業種で求人があるのか不安だったけど、何とか派遣社員としてネットワーク運用の仕事に就くことができました。
当時は実家暮らしの24歳で、正社員で就職するか派遣社員で働くかというのもあまりこだわりがありませんでした。
むしろ正社員で就職して勤務時間は長いのに派遣社員以下の収入になってしまうことは何としても避けたかったです。
そんなわけで、今と割と近いネットワーク系の業務に就くことになったのはこれが初めてとなります。
仕事の内容としてはネットワーク機器の定常的なメンテナンス作業だったり、ログを取得したりと今とは違ってオペレーション業務が中心の仕事です。
それでも、初めてネットワーク機器に触れることになり、機器に投入するコマンドや設定の意味などもこの時に知ることになりました。
仕事自体は真面目に取り組んでいたものの、派遣社員という不安定な雇用状況から2年ほどで契約終了。もっと継続していきたかったのだけど、システムや予算の縮小ともなればこのような結果になることは仕方ないです。

ただ、その時の自分は「今が良ければそれでいい」くらいの考えしか持ってなく、給料は全て趣味の楽器と、推しのライブ(ACIDMANとTHE BACK HORN)に注ぎ込んでいました。
IT業界離脱!住宅設備関係のメンテナンス会社で働く
会社都合で仕事を退職して、失業手当を受給しながら次の就職先探しです。
同様のIT系業種を探しても求人はほぼなく、あったとしても書類選考すら通過できない日々。
前の職場で仲が良かった同僚と同じタイミングで失業して、一緒に職探しを頑張っていました。
ここまで仕事がないのであれば、IT業界にこだわるのはいったん辞めた方がいいのではないか?
これが、私と元同僚の友人が出した答えでした。東京などの都市部であれば何とか希望する業界に入り込むことはできるものの、地方ともなればなかなかそうはいきません。

私の周りでも、希望の業界がありながらも転職が叶わず、全く違う業種で働いている事例を山ほど見てきました。
そんなわけで、IT業界とは系統が違う住宅設備系のメンテナンス会社を受けることにして、あっさりと正社員で採用決定です。
この職種を選んだ理由としては、特殊な技術職だし身につければそれも一生モノのスキルになるのではないか?と考えたからです。
しかし、屋外の作業が中心の体力勝負の仕事だったし、この会社もまた地方の中小企業特有の色が濃く、東京で働いていたシステム会社や美容室とも比べものにならないくらいシビアな人間関係に疲弊することに。

妥協した職を選ぶと本当にロクなことがない。
自分は中小企業でしか正社員として働けない。今まで就職してきた会社も業種は違えど結局同じような感じだったから”そういう”所にしか雇ってもらえないのだろう。
そのように考え自分を納得させ、辛いながらも5年間はこの職場を耐え忍びました。
ただ、そこまで自分の限界を突破するような仕事はいずれ破綻します。結局はうつ病にて退職することとなり、一年近くは休養の日々を送っていました。
IT業界に復帰!ソフトウェアのカスタマーサポートを勤める
自分自身、失敗続きで何をやったらいいのか分からず自暴自棄になっている中、登録していた派遣会社から有名IT企業(東証プライム上場)の製品のカスタマーサポート職を紹介いただけることになりました。
当時私はもう31歳。地方在住にしてまたIT業界に戻れることになったのは夢のようでした。
派遣社員でありながら、新しい職場での仕事・人間関係は好調で、仕事後の時間を利用して自分が今まで諦めていた基本情報技術者などの資格試験の勉強を始めました。
当時取得した資格は以下です。
- ITパスポート
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
ITパスポートは比較的簡単で、あまり転職で評価されるような資格ではないけどIT業界のことを広く浅く勉強することができました。全くの未経験からIT業界へ転職される方にはおすすめの資格となります。
また、残業になることもほとんどなかったため、このブログを始めたのも当時(2016年)からです。
レンタルサーバーにWordPressをインストールしたり設定したりというのも当時の仕事の内容に近く、ブログを始めたことは仕事にも少なからず役立ったと思ってます。
仕事は本当に順調で、もっともっと長期的に働く計画だったのですが、2年が過ぎた頃に妻との結婚が決まりました。
派遣社員だったため、資格を取得しようが仕事をいくら頑張ろうが収入が上がる見込みはなく、妻に提示された『年収の要件』を満たすには当時の約2倍の年収を稼ぎ出す必要がありました。
そんなわけで、生活拠点を東京に移すこと・ITエンジニアとして働くことを目標にして転職活動を続け、今現在勤めている会社に8年前に転職しました。
遂にネットワークエンジニアへ

当時の転職の希望として『ネットワークエンジニア』が絶対の希望ではなく、プログラマーやWeb業界、サーバーエンジニアなどITエンジニアと名が付くものなら何でもいいくらいの条件で探していました。
そんな中で、書類選考を通過できたり内定をもらえるのは大半がインフラ関連の会社で「これはもう、ネットワークエンジニアを目指すのが必然ではないか?」と考えるようになりました。
自分の今までの経験から、プログラミングには弱くWebサイト構築ができるわけでもない(ブログは既製のものを組み合わせるだけでできるため)ネットワークやサーバー関連であればまだワンチャンありそうといった部分を企業の採用担当者は見抜いていたのだと思います。
ネットワーク機器をちょこっと触ったことがあるものの、設計や大幅なシステム構成変更などは全くの未経験です。
今の会社に転職した当初は大変でしたが、自力でCiscoのネットワーク資格であるCCNAを取得し、現場でも”修行”に近い形で技術力の高い上司と一緒に仕事をしていたことで1年ほどでネットワークエンジニアとしてそこそこ仕事をやっていけるようになりました。
その後、何度か挑戦していた難関資格ネットワークスペシャリスト試験にも合格。

2-3年ほど勤めた時にそう確信しました。
一生の仕事かどうかは現時点ではまだ何とも言えないけど、別の会社に転職するにしても同じ職種を選ぶだろうし、本当にこの職種に出会えて良かったと今も思っています。
7年経った今もAWSなどのクラウド関連の知識をアップデートし、日々業務に励んでいます。
長くなりましたが、以上が私がネットワークエンジニアの職に就いた経緯でした。
途中で脱線して回り道をしたものの、結局自分が最初に思い付いた『IT業界で働きたい』想いは間違っていなく、あの時に決断してよかったと本当に思っています。
次に、未経験からネットワークエンジニアになるためには何をすればいいか?を紹介したいと思います。
未経験からネットワークエンジニアになるには?
IT業界完全未経験からネットワークエンジニアになるのは正直難しいです。
私も今までIT業界の近しい職種で勤めていたり、自分で資格を取ったために未経験からネットワークエンジニアになれたのだと思います。
ただ、他のIT系職種と違って『自分の作品』の提出を採用の際に求められることがないのはいいところかと思います。
プログラマーであればGitHubにあるソースコードや、Web関連であればポートフォリオサイトの提出を求められることが多いです。
選考の際に重視されるのは経験と資格になります。
経験がない場合はどのように対応すればいいか自分の体験を元に紹介します。
IT業界内でも比較的転職しやすい職種で経験を積む
IT業界完全未経験であればこちらの方法がおすすめです。
私自身も、前の項目で書いた通りソフトウェアのカスタマーサポートからの転職となります。
IT業界で比較的求人が多く転職しやすいと考えられるのが
- カスタマーサポート
- 運用・監視業務
- 情シス(社内SE)
あたりかと思います。
経験がほぼない方は、上記のような職種に転職して、ネットワークエンジニアを目指すことがおすすめです。

未経験から”経験者”としての転職をするのであれば、最低でも2-3年は同じ会社で勤めることをお勧めします。
資格を取得する
先にも書いたとおり、ネットワークエンジニアにとって資格は重要です。
おすすめの資格をいくつか紹介します。
Cisco CCNA
私がネットワークエンジニアとして初めて取った資格(今は失効)で、ネットワーク機器で最もシェアがあるメーカーCisco(シスコ)の機器に関しての資格です。
現代のCCNAは10数年前に比べると非常に難しく、業界での認知度も高いです。
この資格を取得していれば「Cisco機器の設定はある程度できる」と採用担当は認識します。
暗記だけで取れるほどは簡単な資格ではないため、自分でCiscoの機器を購入したり、GNS3などのシミュレーターを使って実際に設定作業を行うことをお勧めします。
私も入社時にCiscoのスイッチとルーターを借りることができて助かりました。自分で手を動かして設定作業をするのと机上で勉強するのでは全然違います。
ネットワークスペシャリスト
これは私が最も苦労して取得した資格です。
未経験ではやはり難しく、未経験の頃に一度受けて不合格。その後ネットワークエンジニア1年目で受けても不合格。2年目にやっと合格することができました。
先に紹介したCCNAは通年受けられる資格であるのに対し、ネットワークスペシャリストは国家試験のため年に1度しか試験は開催されません。
めちゃくちゃ難しかったけど、これを持っていると間違いなく職場では一目置かれます。
同僚でもネットワークスペシャリスト持ちの方がいて、やはり設計やレビューの観点など「さすがだな」と思わされることが多いです。
暗記だけでは絶対に合格できない試験なので、これを持っていれば間違いなくネットワークエンジニアとして働くことが可能です。
ただ、業務経験がなければ相当に難しい試験なので、ネットワーク業界に転職してから取得するでも全然遅くはないです。
応用情報技術者
これは、今の会社に転職する前に合格しました。
ネットワークに特化した試験ではないのだけど、ネットワーク系の問題も選択にあり基礎的な知識は身につけられると思います。
また、IT業界についての知識も広く深く必要になってくるため取得しておいて損はないです。
業界での認知度も高い資格となります。
結構難しいので基礎知識がない方は、初級資格であるITパスポートの取得をお勧めします。
あと、応用情報技術者の前段に基本情報技術者試験がありますが、どちらかと言えばプログラミング寄りの内容なのでネットワークエンジニアを目指すのであれば応用情報技術者から取っておいて問題はありません。
応用情報の方が、どちらかというとインフラやシステム構築についての問題が多めです。
まとめ:ネットワークエンジニアに興味のある方は諦めずコツコツと
以上が、私がネットワークエンジニアになった経緯とおすすめの転職方法でした。
ネットワークエンジニアって数あるIT系職種の中でも少数の部類で、高齢化も進んでいるように感じています。
「動いているのが当たり前」のモノを扱っているため、システム障害などが起こると大変なことになるのですが、基本的に一度構築したネットワークは安定して稼働するため毎日が多忙といったこともそれほどはありません。
私自身今まで色々な仕事をしてきて、この仕事が本当に性に合っていたのだと思います。
コツコツ勉強するのが好きな方・機器に設定を入れて検証するのが好きな方にはおすすめの仕事となります。
ネットワークエンジニアへの転職についてもっと詳細に知りたい方は、当記事のコメント欄、もしくはX(@simplelife_log)にてご連絡をいただけますと幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。
管理人Shinの転職や挫折について詳細に書いた記事はこちら
今回の記事は、私がネットワークエンジニアになるまでの経緯を”転職”の観点にのみ絞ってまとめました。
どうしてもこの手の記事は自分語りが長くなってしまいがちですが、読みやすいように簡潔にまとめたつもりです。
私が転職で苦労したことや当時のリアルを詳細に書いた記事はこちらになります。ご興味のある方はご覧いただけますと幸いです。
工業高校(非情報処理科)の高卒