2020年7月、悩みに悩んだ靴「Paraboot(パラブーツ) シャンボード」を遂に購入しました。
今回は、シャンボード購入に到るまでの経緯と、プレメンテから履き下ろした感想までをご紹介したいと思います。
Paraboot CHAMBORD
フランス パラブーツ社製のUチップシューズであるシャンボード。
ビームスやユナイテッドアローズなどのセレクトショップにも並び、ファッション誌でも多数紹介されている人気モデル。
日本では、こちらのモデルがパラブーツの一番人気であり、私が購入した黒は定番中のド定番。
パーツごとに詳細を紹介したいと思います。
フランスの宝石”Lisse Leather”を使用したアッパー
アッパーに使われているのは、「フランスの宝石」と言われる“リスレザー”
リスレザーとはオイルドレザーの一種で、カーフに油分をしっかりと染み込ませて作られる、パラブーツオリジナルのレザーとなります。
ブライドルレザーにも似た質感で、店頭の在庫はブライドルレザー製品のようにブルームと言われる白い粉が浮いていました。
ブライドルレザーの質感については、こちらの記事もご参考にどうぞ。
オイルを含ませたレザーを使用することで、雨や雪、土汚れに強いといったメリットをもたらします。
この素材を使っていることが、パラブーツに惚れ購入に至った大きな理由の一つとなります。
ノルウェイジャン製法によって縫い付けられたウェルト
パラブーツの代表的なモデルに採用されている“ノルウェイジャンウェルト”製法。
一般的なグッドイヤーウェルト製法と違い、ウェルトを縫い付けるための縫い目が2箇所あります。
「それがグッドイヤーウェルトとどう違うんだ」と言われると、詳しい製法の違いは説明できないのですが、このようにウェルトを縫うことで、雨や雪の侵入を抑えることができます。
ノルウェイジャン製法とグッドイヤーウェルト製法の違いについては、私がシャンボードを購入するまでに参考にしたちゃん貴さんのブログ記事で詳細に解説されていますのでこちらをご覧いただけますと。
● パラブーツの出世作、Michael/ミカエルに恋したら読むブログ
パラブーツ「自社製」のPARATEXソール
これが、パラブーツの凄いところ。
何と、ソールを自社製で製造しています。
有名シューメーカーもラバーソールのモデルは多数あるものの、どれもダイナイトやビブラムなどのソールメーカーの物を使用しています。
自社でソールまでを作成しているのは、世界で唯一パラブーツのみ。
シャンボードに採用されているPARATEX(パラテックス)ソールには、パラブーツの創始者であるリシャール・ポンヴェール氏のイニシャルである“RP”の文字が刻まれています。
余談ですが、以前購入したスコッチグレインのシャインオアレインシリーズのソールも、パラテックスソールによく似たデザインとなっています。
きっと、パラテックスソールをデザインのモチーフにしているのでしょう。
ヒールも3cmほどあり、脚長効果も期待通り(笑)
ヌメ革のライニング
ライニングは薄い色のヌメ革にParabootの刻印。
これからどのようにエイジングしていくのかが楽しみです。
購入は正規?並行?
結論から言うと、正規店で購入しました。
これが、今回シャンボードを購入するにあたり一番頭を悩ませた部分です。
2020年7月現在、シャンボードの国内正規価格は71,500円(税込)
楽天市場などにある並行輸入でブランド品を扱うショップでは約5万円から購入することができます。
そのため、正規店で試着しておいて、後から通販等を利用して欲しいサイズを安く買う手も使うことはできます。
そもそも本国フランスではパラブーツはもっともっと安いらしく、輸入の関税や諸々の手数料が積み重なり、国内販売価格となっている様子。
それでは、なぜ安く買える並行輸入品を見送り国内正規品を購入したのか?理由は以下。
- 日本国内で販売されている物とサイズ感が違う可能性がある
- 検品の基準によってはとんでもないハズレ個体が混ざっているかも?
- 100%本物とは言い切れない
- トラブルがあった場合の対応が不安
❶ 日本国内で販売されている物とサイズ感が違う可能性がある
並行輸入品とは、本国から日本の正規代理店を通さず、商社などが独自のルートで仕入れた品となります。
そのため、偽物ではなく正真正銘の本物です。
しかし(パラブーツがそうなのかはわからないけど)ブランドによっては、日本で販売される物とそれ以外で販売される物の細かい仕様が異なっている場合があります。
そのような細かな違いで、僅かながら「試着した物とサイズ感が違う」といった事になる可能性もなくはないです。
私も過去に並行輸入品(HTCのベルト)を購入して、明らかに国内正規で販売されている物とサイズ感が違い、返品交換にも応じてもらえず結局正規品を購入する事になった苦い思い出があります。
少々高くても、正規価格は「安心料」も含まれていると思います。結果大満足です!
❷ 検品の基準によってはとんでもないハズレ個体が混ざっているかも?
日本に輸入されるブランド品は、本国から輸入後も正規代理店での検品があり店頭に並んでいることがほとんどです。
並行輸入販売店では独自の基準で検品しているか、そもそも検品を行なっていない可能性もあるため、とんでもないハズレ個体が混ざっていることもないとは言い切れません。
❸ 100%本物とは言い切れない
これも❶、❷と共通で、並行輸入品として販売されている物は、結局はその輸入代理店が信頼できるかどうかにあります。
販売店に納入するまでの間に偽物が混入してしまうなど、ないとは思うけど「100%ないとは言い切れない」と思っています。
それなりに規模のある輸入代理店であれば問題ないと思いますが、中には良くない業者が混ざっている可能性も。
❹ トラブルがあった場合の対応が不安
❶で紹介した通り、通販で並行輸入品を購入した場合、返品や交換などに一切応じてもらえない場合もあります。
万が一サイズが合わなかった(合うはずだけど送られてきた個体が何か違う)などの問題が発生した場合、非常に困った事になります。
「最初から正規で買っておけばよかった」となりますよね。
楽天などのショップレビューを見ていても、少数ながらもネガティブな意見はどうしてもあるため、購入後に後悔しないためにやはり「安心料」を支払って正規で買う事に決めました。
まぁ、マイサイズであるUK6が並行市場ではほとんどなかったというのも理由の一つではあります。
GINZA SIXのパラブーツにて購入
東京都内にパラブーツのオンリーショップは、銀座SIXと青山の路面店の2店舗です。
そのほか、ビームスなどのセレクトショップや三越や高島屋などの百貨店でも取り扱いがあります。
ド定番の黒シャンボードなのでオンリーショップ以外での購入も全然可能なんですが、ミカエルやアヴィニヨンなどの他の選択肢とも比較検討したかったため、職場や家から行きやすい銀座SIXの店舗を選びました。
1回目はマイサイズの確認と、他のモデルとの比較をして「本当にシャンボードで良いか」を検討。
2ヶ月間じっくり検討して、元々狙っていた2回目の来店で黒シャンボードを購入する運びとなりました。
他に気になったモデルは以下
- “個性派”ネイビーシャンボード
- 楽々サイドゴアスリッポン フォトン
- 意外と人と被らないプレーントゥ アルル
などなど。
パラブーツは初めてなので、まずは一足ド定番を履いて育てて、他に欲しいものがあれば数年後に買おうというスタンスにしました。
サイズはUK6(24.5)
私は普段スニーカーは26cm、革靴は25cmを履いています。
シャンボードは店舗で丁寧にフィッティングしてもらったところ、UK6(24.5cm)がマイサイズとなりました。
2回来店した際も、やはりこちらのサイズがジャストだったのでUK6を選択です。
実はこちらのシャンボード、「前後はジャストだけど甲が高すぎてゆるゆる」「前後上下はジャストだけど踵がゆるゆる」などの独特のサイズ感があり、「欲しいと思ったけど足に合わなすぎて諦めた」といった声はネット上でよく見られます。
幸い私は、マイサイズで前後の捨て寸1cm、羽根も1cm以上開いて余裕がある状態だったので、シャンボードを購入することができました。
「ユーザーに合わせた靴」というよりは、「その靴にユーザーが合わせる(インソールや靴下などを使って工夫してね)」といったタイプの靴なので、合う/合わないははっきりと分かれると思います。
パラブーツのモデル毎のサイズ感の違いは、これまたちゃん貴さんのブログに綺麗にまとまっているので、ぜひご参考に!
シャンボードのプレメンテ
シャンボードのプレメンテナンス(履く前のお手入れ)について紹介します。
基本的に、シャンボードに使われているリスレザーの靴を履き下ろす場合、
馬毛ブラシでブルーム(白い粉)を革の中に押し戻すようにブラッシング
のみでOKです。
今回は、店頭でブラッシングと乳化性クリーム(無色)の塗布を行ってもらったので、すぐに履き下ろすことができました。
念のため、ライニング(内側の革)にデリケートクリームだけ塗布しておきます。
デリケートクリームを塗った直後はシミのようになるけど、10分くらい待てば元に戻ってきます。
塗りすぎ注意です。
遂に!シャンボード履き下ろし
雨が多いので、晴天の休日を待って履き下ろしです。
本当は雨の日に履いても全然問題ない靴だけど、貧乏性なのでやはり最初は雨が降っていない日を選んで履くことになります。
初めて試着した時にも思ったのですが、シャンボードは最初に履いた時の窮屈感がなく、「前から持ってたのか?」と思うくらいに足なじみはいいです。
ただ、履き慣れていないと靴擦れは起こるかな?と思います。長距離ウォーキングで履く予定がある方は、しっかり履き慣らしてからにすることをお勧めします。
数日履いた感想
十分に検討しただけあって、コーディネートへの汎用性の高さは大満足です。
肝心の足への馴染みは多くのレビューにある通り、カカトが大きめなため、くるぶしの下に履き口が当たって多少赤くなってしまいます。
これについては、少し厚めの靴下を履くことと、紐をきつめに締めてタイトフィットにすることで軽減することができます。
革の広がりやソールの返りによっても変わってくる部分であるため、今後の記事で詳細にレポートしたいと思います。
やっぱり発生したモカ割れ
購入前、モカ割れが心配だったのでスタッフさんに聞いてみたところ、
「モカ割れは普通に起こります。デザインとして楽しむ方も多いですし、店舗で接着することもできますよ。」との事。
また、モカが割れたから水が染みてくる訳ではないそうです。
なので、私もエイジングの一環として楽しむことにしています。
まとめ:エイジング記録をお楽しみに
今回は、欲しいと思って数ヶ月の検討の末、遂に購入できたパラブーツのシャンボードについて紹介しました。
7万円の靴は、間違いなく自分の靴人生史上一番の投資額で、購入から履き下ろしに到るまでとても神経を使ったと思います(笑)
安価で似たような靴も探したけど、やはりパラブーツと同等のディテールを持つものはなく、投資して惜しくない価値のある靴でした。
流行に左右されることなく、自分の中の「定番の一足」が欲しい方にパラブーツはお勧めです。
次回は、秋頃に3ヶ月のエイジングの結果をご紹介できればと思います。
それでは、よいシンプルライフをお送りください^^