私が愛用している機械式腕時計は、前回の記事で紹介したロレックス エクスプローラーとIWC パイロットウォッチマーク18の2本。
今回は、IWC パイロットウォッチマーク18を選んだ経緯と、購入までのストーリー、共に過ごした3年間のことを紹介したいと思う。
2013年 IWCとの出会い
スイスの高級時計ブランドであるIWC(International Watch Campany)の事を知ったのは、前回記事で書いた1回目のロレックス エクスプローラーを購入した2013年。
最初にエクスプローラーを購入した店舗は、ロレックスだけを扱うブティックではなく、オメガやIWC、ブライトリング、パネライ、グランドセイコーなど有名どころの高級時計を一通り扱っている店舗だった。
当時の私は高級時計といえばロレックスかオメガくらいの認識しかなく、もちろん第一希望で購入したロレックスのエクスプローラーが一番お気に入りで他に選択肢はなかったのだけど、店員さんとも顔なじみになり色々なブランドの時計を見せてもらうために頻繁に通っていた。
色々なブランドの時計を見せてもらう中で、ロレックスとはまた違った質実剛健な無骨さを持ったIWCの時計に強く惹かれた。
当時はパイロットウォッチはマーク17の時代で、その他にもインヂュニア、ポルトギーゼ、ポートフィノ、アクアタイマーはどれもロレックスにはないデザインで「次はIWCの時計を買おう」と考えていた。
価格やデザイン性を考慮して、パイロットウォッチのマークシリーズが一番自分に合う一本だとこの時に思った。
2014年 失業とミニマリスト
当時の仕事は住宅設備のメンテナンスと営業の職で、精神的肉体的にとても負荷が高い仕事だった。
何とか折れそうな心を支えるために、無金利ローンを利用してエクスプローラーを購入したものの、やはりモノでは心に空いた大きな穴を埋められなかった。
詳細は上記の記事に書いているが、うつ病による体調不良のため仕事は退職、車のローンなどで生活が苦しかったため、エクスプローラーも売却する事になった。
この頃にミニマリズムに出会い、ミニマリストになる事を決意したため、高級な機械式時計はもう必要のないモノだと割り切ることもできた。
2015年の夏から、ちょうど前職である新しい仕事を始めることができた。
勤続していく中で、パイロットウォッチ(2017年にマーク18になっていた)を購入しようかと考えたものの、また身の丈に合わないものを無理に購入して苦しくなるのは嫌だったので抑えることができた。
前職は大変環境の良い職場であり、結婚して引っ越す都合で退職となってしまったのだけど、やはり退職までもどこかで「パイロットウォッチ マーク18」を購入したい気持ちはずっと残っていた。
2017年 結婚と上京
2017年の11月に入籍して、12月に妻が住む東京へ引っ越した。
結婚や引越しには多くのお金がかかるのは当然といえば当然のため、当時マーク18を買うために回せるような予算はなかった。
ちょうど妻に贈ったティファニーの婚約指輪がマーク18が買えるくらいの価格だったので「これがなかったら買えてたのになー笑」と内心思いながらも、初めての結婚生活を楽しむ事に。
2018年の1月からはちょうど今の仕事を始めた。今までの経験や自分の希望を存分に活かせるよう吟味した職場だったので、今までより収入も増えて働き続ける事で少しずつ生活は豊かになってきた。
当時集中して受験していた情報処理・ネットワーク系の資格試験も次々合格できたため、マーク18を買うなら今だ!と思ったタイミングがココだ。
2018年9月 遂にマーク18購入
2018年の9月に遂にマーク18を購入することができた。当時の記事はこちらに
2021年の現在も、マーク18を購入するとしたら主に以下の3つの選択肢がある。
- 正規販売店で購入
- 並行輸入店で購入
- 中古で購入
この中で私が選んだのは❸の「中古で購入」
ロレックスと違い、IWCは並行輸入の方が安く購入できるし、中古品はさらに安く購入することができる。
元々機械式腕時計というのはメンテナンスをしながら長く使っていくものだし、使っていると傷も付く。中古でも全く問題ないというのが私の持論だ。
革ベルトも消耗品だから定期的な交換が必要になるし、購入金額を少しでも抑えて他のことにお金を回した方が色々と満足度は高いと思う。
正規店で購入するのが一番余裕があって満足度も高いのかもしれないけど、人それぞれ色々な考え方があるだろう。
幸い、正規店で2017年に購入されたワンオーナーの品で、状態もほぼ新品と比べて遜色ないものを手に入れることができた。
購入金額は、今現在の正規希望小売価格の6割ほど。
並行輸入店や中古店で色々な個体を見比べて、一番自分にとってベストな個体に巡り合うことができた。
このように機械式時計は一部のブランド(ロレックスやパテック・フィリップ)を除けばかなりお得に購入することができるため、IWCなどの時計を購入検討されている方には是非お勧めしたい手段だ。
色々なストーリーを経て手に入れたマーク18の感想は「最高」の一言に尽き、どこに行く時もほぼこの時計だった。(当時腕時計は、マーク18とG-Shockの2本のみの所持だった)
「ずっとこの時計と一生歩んでいこう」と思っていたが、やはり大好きな時計でやむなく手放すことになったロレックスのエクスプローラーも、もう一度購入したい願望が出てくる。
2020年 ロレックス エクスプローラーの購入とマーク18を手放す危機!?
2019年には既に、ロレックスの人気モデルは正規販売店では購入できず、いわゆる「プレ値」と言われる転売価格で並行輸入や中古の品を購入するのが一般的になっていた。
そんな中でも、正規販売店を何度も訪問し続ければいつかは希望の品に巡り会える「ロレックスマラソン」という希望もあり、3ヶ月ほどマラソンして2020年の1月にエクスプローラーを購入することができた。
ちょうど息子が生まれたのが2020年の1月で、色々入り用だし本当なら機械式時計に没頭している場合じゃないんだと思う。
少しでも多くのお金を残すためにも、IWCのマーク18は売却することも考えた。
「エクスプローラーがあれば気に入ってそれだけを着け続けるだろう」と。
しかし軽快で着けやすいマーク18の方がローテーションに入れることは圧倒的に多く、エクスプローラーとマーク18で見た目は似たような黒文字盤の時計だけど、全く性質が異なる2本は両方大事にし続けたいと思った。
妻もその方針に賛成してくれ、晴れて2本の機械式時計を自分の愛用時計として愛でていくことになった。(妻がアパレル業界の人でファッションアイテムが大好きなことに救われた)
2021年10月の今も、実は軽快なつけ心地のマーク18がローテーションのトップになっている。
エクスプローラーは、やはり「ロレックス」のブランド力に圧倒されてしまうことがある。
ぱっと見で値段が分からない、知る人ぞ知る「IWC」のパイロットウォッチは自分のライフスタイルやファッションに最も素直に溶け込む究極の一本だ。
IWC パイロットウォッチマーク18のバリエーション選択について
IWCパイロットウォッチマーク18には、白文字盤、青文字盤、メタルブレスレットなど様々なバリエーションがある。
その中で私が選んだのは、最もベーシックなモデルである革ベルト黒文字盤の「IW327009」だ。
青文字盤のプティ・プランスも凄く綺麗で頭を悩ませたが、持ち物は黒で統一傾向があるため黒を選択。
そして、革ベルトモデルを選ぶかメタルブレスレットを選ぶか。
一般的に革ベルトモデルとメタルブレスレットがラインナップされているモデルであれば、メタルブレスレットのモデルを購入しておいて後から革ベルトを購入する方がお得ではある(メタルブレスレットのみを後から購入すると割高になるため)
元々、パイロットウォッチ マークシリーズは革ベルトのデザインに惚れたので、革ベルトのモデルを選んだ。
一時期、メタルブレスレットのみを購入しようかと考えたこともあったが、最近は革ベルトの着け心地が一番気に入っている。
中古で選択肢豊富なIWC マークシリーズ
IWC パイロットウォッチ マークシリーズは、マーク11から始まり現在のマーク18に至っている。
そのため中古で探すのであれば、現行のマーク18だけでなく旧モデルのマーク17や16も視野に入れることが可能だ。個人的にはマーク15〜が価格的にも個体数的にも気に入った物を見つけられる確率が高いと思っている。
旧モデルの中で一番悩んだのが、最初にIWCのマークシリーズに出会った時に現行だったマーク17。
マーク17だけは他のモデルと違い、日付表示に日付が3つ表示されるようになっており、現在の日付を赤のポインターで指し示すようになっている。
これは、長針が日付表示位置に被さった時に、前後に表示される日付から今日が何日なのかを即座に読み取ることができるようこのようになっているとのことだ。
マーク18と17を比べると、同じシリーズなのに全く違う時計に見える。
見比べた結果、シンプルでまとまりのあるマーク18の方が、自分の求めるスタイルに合っていると思った。
中古でマークシリーズを探される方は、是非世代が異なるモデル同士も比較して、自分に合った究極の一本を見つけ出していただきたい。
その他に気になるIWCの時計2本
パイロットウォッチ マーク18を愛用し始めてから、もう3年以上が経過した。
色々なことがあったけど、やはりIWCの時計を、パイロットウォッチを選んでよかったと心から思っている。
その他にも、IWCには魅力的なモデルが沢山ある。自分が今気になっている2モデルをこの機会に紹介しておきたい。
1.ビッグ・パイロット・ウォッチ43
見た目はマーク18にそっくりなのだけど、ケースがマーク18の40mmに対して43mmと大きくなっている。
元々ビッグパイロットウォッチは46mmであり、それよりも小さい43mmのモデルが2021年に発表された。
ノンデイトでシースルーバック仕様となりマーク18とは異なる仕様であるため、是非一度試着してみたいと思っている。
2.ポルトギーゼ・クロノグラフ
現在1本も持っていない「白文字盤・クロノグラフ」の時計。
スポーティーなパイロットウォッチと比べると文字盤のデザインに余白があり、よりシンプルなデザインになっている。
他社メーカーのクロノグラフは「いかにも」といったスポーティーな見た目のものが多い中、ポルトギーゼの上品さはIWCならではのセンスだと思う。
白文字盤にブルーの針のコントラストも凄く綺麗。
まとめ:IWCの時計は価格以上の価値がある
3年にわたってマーク18を愛用してきて、IWCの時計は価格以上の価値があると思った。
光をキラキラ反射するようなパーツはほとんど使っていないし、一見高そうな時計には見えないけどよく見ると凄く精巧に作られている。
「いかにも高そう」な時計を身につけるのではなく、自分自身に価値が分かればそれでいい。このような価値観をお持ちの方には自信を持ってお勧めできるモデルが揃っている。
精度については、自分が「機械式時計の時間は狂うものでこまめに合わせる必要がある」と考えていて正確にわからないため、記事内では触れなかった。
私の感覚では、独自のクロノメーター基準を採用しているロレックスの方が、一日使用した際の時刻のズレは少ないように感じる。
しかし、ズレた時刻を合わせるのも一つの味で、使用する度に巻き上げて、日付や時刻を調整して使うようにすることでより愛着も増すだろう。
ロレックスやオメガといった超有名ブランドの陰に隠れがちなIWC。
少しでも興味がある方は、店舗で実物を見ていただければ質感の高さを感じられると思う。
個人的にIWCには有名になり過ぎず、今のように「わかる人だけに分かればいい」といったブランドイメージを維持し続けて欲しいと願っている。
IWC マーク18購入までのストーリーと3年使用した感想は以上となる。今後、ロレックス エクスプローラーとの比較記事も紹介していきたい。
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