2024年の現在、絶滅寸前となったMT(マニュアルトランスミッション)車
足元にはAT車にないクラッチペダルがあり、左足でクラッチペダルを踏んで、手元にあるシフトレバーでギアを入れてクラッチを繋ぐ操作が必要。
若い方はおそらく教習所で初めて目にする事になるかもしれません。
今回は、MT車を現在進行形で2台乗り継いでる視点から、MT車のメリットと購入後のカーライフについて紹介します。
はじめに:管理人ShinのMT車歴
- レガシィワゴン5MT 5年(その間、会社の社用車もMT車)
- 転職して9年間はペーパードライバー
- レガシィワゴン5MT 買って3ヶ月
MT車の購入を考えている方に対して、買って大丈夫なのかを結論から言うと『家族の同意を得られないなど第三者的な要因がない限りは普通に購入して問題ない』です
「MT車を買ってみたいけど心配」な方向けに、一般的に言われるMT車に対する不安への回答を次の項目で紹介します。
MT車を買いたくても買えない理由
運転できる自信がない
恐らく、MT車を購入したいけど本当に買っていいのか悩んでる方はこの悩みが大半ではないでしょうか。
ある程度の慣れが必要になるため、教習所で数十時間乗ったくらいでは簡単に乗る事は難しいと思います。
私の場合、運良く?転職先の会社の社用車がMTだったので、十分に練習して「乗れる」確信があったからMT車を買ったため、少し特殊です笑
全く運転できないか?と言われるとそんな事もないので、次に紹介する手段で練習してみることをおすすめします。
ペーパードライバー教習に通う
いくつかHPを見て調べたところ、MT車でのペーパードライバー向け教習を行なっている教習所はそれなりにあるようです。
不安であっても教官が横にいて指導してくれるので、数時間乗れば感覚が掴めてくると思います。
また、一般道に出る前におそらく教習所内のコースを走ることになると思われるため安心して車を動かすことができます。
軽トラor軽バンを買う
軽トラは今も昔もMT率が高いイメージ。
お金と時間に余裕のある方は、練習で軽トラや軽バンを買って練習してみてもいいかもしれません。1日2日乗れば慣れます。
軽バンであれば実用性は充分なので、希望の車種が別にあったとしても、楽しくてずっと軽バンに乗り続けられるかもしれません。
MTのレンタカーを借りる
これは、ある程度運転できる確信がある方向け。
数は少ないものの、MTのレンタカーはあります。
ホンダのレンタカーが貸し出しているN-ONE RSあたりが、普通の軽自動車の形状であるためMT入門にはいいかもしれません。
家族の説得
独身の方はこの項目は気にする必要はありません。
大抵の場合、MT車が欲しい方の家庭環境の図式って
妻:AT限定免許だからMTなど論外
ではないでしょうか(うちもこれ)
そして、私が住んでるのは東京なので、一世帯で複数台の車が持てる地域ではありません。
では何故、私の希望だけでMT車を購入する事ができたのかを紹介します。
- 7年間車なしで不便のない生活を送っていた
- レンタカーや実家の車であっても妻が運転する事がなかった
- 車購入の費用と維持費は全て私の自費で賄った
- 「AT車になるなら車は購入しない」強い意志を見せた
これが「車は必需品かつ1世帯に1台しか持てない」地域であればこのような選択は許されなかったと思います。
妻も「家計から車の購入費と維持費を捻出する必要がない・そこそこ見栄えのいい車である・子連れで出かけるのが楽になる」といったメリットから全面的に賛成してくれました。
そんな感じで妻も本当はアルファードやプラドのような車種を望んでいたとは思いますが、新車は私が買った中古レガシィの10倍くらいするし、やっと借りられた駐車場もそこまで大型の車は駐車不可のため、めでたく希望の車種を購入できました。
MT車実際乗ってみてどう?
私は13年前にMT車に乗り始めてから今まで「楽しい!これ以外は運転したくない!」と思ってます。
そこまで気に入ってなければ2回も同じ車を買わないです。
MT車のデメリットとしてよく言われる渋滞がキツイ・疲れるといった点については以下に紹介します。
渋滞がキツイ
関東の市街地は渋滞が多く、坂になっている所も多いです。
ただ、渋滞しててもギアを1速に入れて少し進んでニュートラルに入れればいいので大して気になりません。
ATの場合も渋滞はクリープしないようにずっとブレーキペダルを踏んでないといけないし、あんまり変わらないんじゃないかと思います。
最近のMT車は電子制御が満載のため、アイドリング状態である程度クラッチを繋いでも即エンストとはならず、微速で進める車種もあると聞いたことがあります。
疲れる・面倒
AT車の運転と比べると、やっぱり左足に疲労が来てるのは感じます。
ただ、劇的に疲れるかと言われると運転の疲労感としてはそう変わらないと思います。
左手左足をフルに使ってるため、運転そのものに凄く集中できます。
ATと比較して面倒かと言われると確かに面倒なのかもしれませんが、好きで楽しいから乗ってるので「ATに変えたい」と思った事は一度もないです。
逆にATに乗ると左手左足が暇過ぎてソワソワします。
今の時代わざわざMTに乗りたいという事はそれなりに思い入れがあっての事だと思うから、面倒とか疲れるといったデメリットは一切気にしなくてよいと思います。
逆に、「楽しい」よりも「面倒」が勝ってしまう人はMT車はやめておいた方がいいと思います。ギアチェンジの回数を減らすために普通車なのに2速発進したり、1→3→5速と飛ばしてシフトチェンジをするような人はわざわざMT車を選ぶ必要はなさそうです。
坂道発進が怖い
私も正直なところ東京で車に乗り始めて、商業施設にある駐車場のほとんどが急坂の立体駐車場である事に驚きました。
これは完全に慣れなんですけど、坂道発進を失敗しないコツとしては以下を心がけています。
- サイドブレーキをしっかり引く
- ギアが絶対に1速に入ってる事を確認
- アクセルはいつもより強めにふかす
- 半クラを通常より短めに
- サイドブレーキは素早くリリース
どうしても心配な方はAmazonでMT車注意のステッカーが売ってるようなのでおすすめします。
あれば便利そう
アシスト機能を使うとサイドブレーキを引かなくてもブレーキをかけた状態を保持してくれるため、普通に発進する時の操作をするだけで坂道発進ができるようです。
私のレガシィにはその機能は搭載されていないです。
MT車は何故廃れた?
ここからは、私独自の解釈となります。
MT車が廃れた理由として、上の項目で挙げたようなデメリットと、ATやCVTの技術が向上して、昔(10年以上前)にMTのメリットと言われていた以下が全て無くなってしまったからではと考えています。
- 車重が軽くなる
- 価格が安い
- 燃費がいい
- パワーがある
これら全てがATの技術向上によって無くなり、最終的には「楽しい」だけのメリットしか残らなくなりました。
そして、その「楽しい」を重視する方は思いのほか少なく、減少の一方を辿っているように感じます。
「楽しい」よりも、快適である・流行に乗った装備/見栄えであることを、多くの方が重視しているのかなと思います。
“走り”を重視しているスバルのWRXや日産のGTRでさえもオールATの現代において、MTの機構としてのメリットは皆無と言えます。
2024年管理人おすすめのMT車
2024年の現在も、数は少ないけどMTの車両は新車・中古車共にまだあります。
私が乗っているレガシィは2006年式のため、今後致命的な故障が発生した場合に同じ型式の車を購入するのはもう難しいと覚悟していて代わりになる車も今から物色しています。
そんなわけで、今現在購入可能で私がおすすめしたいMT車をいくつか紹介します。
スバル SJ型フォレスター
DY5W-sport – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
※画像はWikipediaより
私自身がスバル好きなので、まずはスバルの車から。
2012-2018年に販売された1世代前のSJ型フォレスターにはMTが存在します。
現行のSK型フォレスターにはMTの設定はありません。
中古車サイトを見てみると、現在の相場は120〜200万円ほど。今後MT車のプレミアム化による価格高騰がなければ充分に購入しやすい価格帯です。
個人的に、数年後『レガシィの代わりになる車』としては最有力と考えています。
ホンダ FL1型シビック
Tokumeigakarinoaoshima – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
※画像はWikipediaより
今現在も新車で販売されている2021年に販売された現行FL1型シビック
ぱっと見はセダンに見えるけど、後席とラゲッジスペースは滑らかに繋がっていて5ドアハッチバックのボディとなります。
エンジンは1.5L VTECターボで182PS ハイオク仕様 6MT
ボディサイズもちょうど良く、日常使いには最適なスペックと考えてます。
価格は新車で400万円近く、中古車でも現在は300万円近くと高価なため今後の価格動向に注目です。
個人的に、スバル車に乗ることを諦めるのであればこのシビックが本命
しかし妻には不評なデザインで、絶対にフォレスターの方がいいとのこと…
MAZDA3 ファストバック
XVR 7785 – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
※画像はWikipediaより
こちらも2019年から販売され、現在も新車で購入可能なMT車。
ハイブリッドモデルに6MTが設定されている変わった構成です。
1.5L、マイルドハイブリッド、レギュラーガソリン仕様であることで、維持費はかなりお得になることが予想されます。
上に挙げたフォレスターやシビックと比べると車体は少し小さくなるので趣味や普段の荷物積載量との兼ね合いを検討する必要があります。
マツダは元よりMT車のラインナップが多いため、過去モデルのアクセラやアテンザのMT車も探せば状態のいいものが出てくるかもしれません。
MAZDA CX-5
EurovisionNim – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
※画像はWikipediaより
人気SUVの現行CX-5にも2023年までMT車が存在していたようです。
ディーゼルターボ2.2L+MTとなかなかマニアックな仕様。
MAZDA車は今まで一度も運転した事がないけど、色々な拘りを感じます。
これまで紹介した車以外にも、トヨタ車も現在新車で購入可能なMT車、近年までMTの設定があった車種が複数存在します。
2022年や2023年でMTが廃止されている車種も多いことから、これからより絶滅に近づいてしまうかもしれません…
確実にMT車を選びたいならスポーツカー
ここまで紹介したのはSUVやハッチバックなどいわゆる”実用車”で、MT車の定番とも言える2ドアのクーペは紹介してきませんでした。
私自身、車は一台しか持てない環境で家族を乗せたり趣味の釣り道具を運んだりする観点から「普通の車でMT」である事にこだわっています。
そのような制約がなく「走るためだけのMT車」に特化して車を選べるのであれば今現在も相当数のMT車が存在します。
- トヨタ GR86
- トヨタ スープラ
- スバル BRZ
- マツダ ロードスター
- ホンダ シビックタイプR
- 日産 フェアレディZ
どれも高級スポーツカーで、昨今の事情から契約することも難しい車種もあるため予算と時間が潤沢にある方向けの選択肢です。
多人数を乗せる事が少ない・趣味の道具を積載する機会が特にない方は、純粋な走りを楽しめる上記の車種は本当に楽しいと思います。
まとめ:MT車は楽しいし苦にならない
これまで紹介してきたとおり、私自身の経験からMT車を買っても苦になる事はなく「楽しい」の感想しかありません。
通勤に車を使用せず、休日だけのレジャー用途として車の購入を検討している方には特におすすめです。
運転を「作業」として捉えるような車の使い方だと苦になる方もいるかもしれませんが、私は運転する度のクラッチ操作・シフト操作そのものを楽しみと感じて運転しています。
これは私が過去にMTに乗りたいけど乗る機会がなかった事・自分の親世代であってもMTは時代遅れの産物でATが標準と考えていた事が要因としてあるのかもしれません。
妻からすると「?」な感じですけど完全な自己満です。
将来的には電気自動車などで車のシフトレバー操作そのものが不用となってしまうかもしれません。
今後MTは絶滅の一方になると考えられるため、この記事にたどり着いた方には是非MT車を購入して欲しいと思ってます。
自ら懇願しない限り運転できることも無くなった希少な3ペダルのMT車。今後も若い方に乗って貰えると嬉しいですね。
読んでいただきありがとうございました。
次回:改めてBP5型レガシィに3ヶ月乗った感想
愛車のBP5D型レガシイも再購入から無事3ヶ月が経過しました。
走行距離は3000km超えで1ヶ月1000kmのペースを順調に保っています。
前回乗っていた車体と比べると年数から多少の劣化を感じるものの、基本的な乗り味や使い勝手は全く同じです。
次回は、これまで2台BP型のレガシィを乗り継いで感じたいい所・イマイチな部分を紹介できればと思います。
次回もお楽しみに。
今の時代、自ら懇願しない限り仕事であってもMT車を運転する機会はほぼないと言えます。