あらためて、情報処理技術者試験の難易度と実用性について紹介【IP・FE・AP】

先日、やっと難関だったネットワークスペシャリスト試験が終わりました!(結果は2ヶ月後)

今回は、「【就職・転職に有利?】IT系資格の実用性と難易度についてまとめ」の続きで、IPAが主催する情報処理技術者試験の難易度と実用性について、もう少し突っ込んで紹介します。

ITパスポート(IP)

ITパスポート公式キャラ

難易度 ・・・ ★★☆☆☆(易しい)

IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の中では、エントリークラスとなる試験です。

試験はパソコン入力方式で、「試験終了」のボタンをクリックすると同時に、結果が出力されます。

私が受験した際の試験結果シートがありましたので紹介します。

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合格点は600点以上

基本情報・応用情報の午前と同じでテクノロジ・マネジメント・ストラテジに分かれていて、それぞれの分野で必ず300点以上、総合評点600点以上で合格です。

資格証は、合格から1ヶ月後くらいに郵送されてきます。基本情報などと同じ、賞状タイプの証書となります。

ITパスポートはどれくらい難しい?

IT業界に勤めている方であれば、勉強なしでも合格できるかもしれません。

しかし、ストラテジやマネジメントなどの問題は専門用語や略語が多く、多少は詰め込まないと確実に合格点を取れるかはわかりません。(SFAとかSLOとかKPIとか)

ネット上や書籍に過去問はたくさんあるので、模擬問題で8割以上得点できるようになれば、まず大丈夫です!

計算問題も、基本情報や応用情報ほどメカメカしいものではないので、普通に中高の数学の知識があれば解けます。

初学であっても、問題をひたすら解くアウトプット学習と教科書を読んでノートをまとめるインプット学習を半々で、2〜3ヶ月ほどで合格できると思います。

落ちたとしても、また次は好きなタイミングで受験できるのがメリットです。

ITパスポートの実用性は?

以前も書いた通り、IT企業のエンジニア職での転職には有効ではありません。

また、ある程度年齢を重ねて取るのもあまり意味がないと思われます。(もう少し上位の試験を狙った方が良いという意味)

取得するのであれば、高校・大学・専門学校の在学時、または社会人1〜2年目に取得することをオススメします。

IT企業の非エンジニア部門・一般企業の情報システム部・その他事務職に転職する場合、有利になることがありますので、取れるうちに取っておきましょう!

基本情報技術者(FE)

コーディング中

難易度 ・・・ ★★★☆☆〜★★★★☆(難しい)

基本情報は、情報処理技術者試験ではIパスのスキルレベル1に対してスキルレベル2となりますが、ITパスポートと比べると桁違いに難しいです。

この試験は、「基本〜」の名前で損している感はあります。「プログラミング技術者認定試験」みたいな名前にした方がいいのではと思ってます。

恥ずかしながら私はこちらの試験に4回も落ちて5回目で合格してるため、適性はあまりないと言えます。

数学的な思考能力がかなり必要なので、適性が分かれてくる試験です。

基本情報の難易度は?

午前試験は、ITパスポートの問題にプラスアルファとなるため、Iパスを受けていれば比較的早く覚えられます。

n進数などの基数計算や、ソートアルゴリズムなどの問題は、Iパスよりもかなり複雑化します。

ある程度頑張れば、午前合格レベルにはすぐに到達できると思います。しかし、問題は午後です。

午後問題は、データベース、ネットワークなどの長文問題を5問選択と、アルゴリズム1問、プログラム言語1問です。

最後のアルゴリズムとプログラミングが文系脳には鬼門で、これは「ITエンジニア」ではなくて「プログラマー」に向けた試験なのではないかと今でも思っています。

私はJavaを選択して落ちまくっていたので、無理せず表計算を選んだらギリギリで合格できました(笑)

※表計算もマクロの問題があるため、プログラムの基本的な知識はないと解けません。

逆に「パズルのようで楽しい」と思える人は、適性ありまくりです!

適性がない!と思われる方は、逆に上位試験の応用情報技術者に挑戦することをオススメします。

基本情報技術者の実用性

こちらも、中途採用であれば30歳までには取得しておいた方がいいです。

そして、ソフトウェアを扱う「プログラマ」や「システムエンジニア」志望であれば取得しておいた方が良いですが、インフラエンジニアなど別系統のITエンジニア志望であれば、CCNAなどのベンダー資格に集中した方がいいかもしれません。

実務経験なしでIT業界に入りたいのであれば、基本情報を合格できるかどうかで適性をはかれると思います。

実務経験なしでも合格できれば、転職先の企業へのアピールにもなり、地頭能力の証明にもなるでしょう。(ただし、若いうちに限る)

学生さんで情報系を専攻している方は、学生のうちに合格しておくことをオススメします。働きながらこの勉強は本当に大変です。

応用情報技術者(AP)

難易度 ・・・ ★★★★☆(かなり難しい)

情報処理技術者試験のスキルレベル3で、私が取得しているIT資格の中では今のところこちらが最上位です。

午後問題の選択肢の多さ、問題文の長さ、記述による回答が必要で、基本情報と比べると全体的に難易度が上がります。

しかし、2倍難しいのかと言われるとそうでもなく、1.2〜1.5倍増しくらいと考えています。

基本情報がアルゴリズムとプログラム言語の選択を避けられなかったのに対して、応用情報はアルゴリズムが全くわからない人でも合格できます。

応用情報の難易度

午前問題は、基本情報と同じくらいか少しだけ難しいくらいです。基本情報に受かっていればそれほど必死に対策することはないと思います。

午後問題では、アルゴリズムが苦手な場合、ストラテジ・システム監査などの文章メインの問題や、システムアーキテクチャ・ネットワークなどの得意分野があればそちらを選べば良いです。

データベースはSQLの穴埋めを全て記述で答えないといけない問題が多かったので、難易度が上がります。

何度も問題を解いていると問題に慣れてきて、だんだん解法のコツがわかってきます。「25文字以内で答えよ」などの論述問題で文字数に収まる適切な言い回しを考える技術も大切です!

応用情報の午後問題は、いかに苦手分野を認識して、得意分野を伸ばすかにかかってきます。無理に全てのジャンルを網羅する必要はありません。

応用情報の実用性

応用情報になると、30過ぎの転職でもある程度目にかけてもらえます。

20代であれば、さらに良い印象になるはずです。実務未経験で取得した場合、かなりのやる気と適性のアピールになるでしょう。

私が応用情報を取得して転職活動を行なった結果については先日記事を書いています。ぜひご覧ください。

ネットワークスペシャリスト(NW)

ネットワークスイッチ類

難易度 ・・・ ★★★★★(難関)

先日初めて受験したネットワークスペシャリスト(通称:ネスペ)です。

スキルレベル4(最高)の高度試験区分となります。応用情報に合格していれば2年間は午前Ⅰ試験免除です。

最初に参考書を見たときは、応用情報プラスアルファの知識で行けるのではないかと思いましたが、勘違いでした。

ネットワークスペシャリストの難易度

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平成29年 午後Ⅱ 問1

まず、午後Ⅱ問題が鬼門です。このような複雑極まりない図が平気で出てくる上に、問題文だけで10ページくらいあります。

回答の方式は、小さな用語の穴埋めであっても全て記述です。

あとは、応用情報のように「最適な設定を50文字以内で答えよ」とか「①_の作業を行ったのはどのような目的からか60文字以内で答えよ」といった問題となるのですが、これを答えるにも各プロトコルやレイヤ、パケット構造の知識がないと、回答すら思い浮かびません。

この辺りになってくると現場経験がないとかなり難しくなりますね。

具体的な難易度については、こちらの試験レポートをご覧ください!

ネットワークスペシャリストの実用性

受かってないので何とも言えませんが、面接に行った先では「受かればすごいが、実務経験なしでは厳しすぎるのでは?」との意見。

さすがにこれだけで就職できることはないにしても、NW実務経験+ネスペ+CCNA(P)があれば、都内では就職先に困らないような気もします。

この辺りは追い追い、自分の身をもって確かめることとします!

そのほか、高度試験

データベーススペシャリスト、情報処理安全確保支援士(旧セキュスペ)、ITストラテジスト、システムアーキテクト試験などがあり、どれも難関です。

論文が必要な物もあり、それぞれの専門の職についてないと、なかなか合格は難しいです。

中でも昨今の傾向から情報処理安全確保支援士(SC)がおすすめです。

ネスペを受ける前に、これとどちらにしようか悩んでいました。

最近は、応用情報やネスペも情報セキュリティ問題に力を入れてきています。

企業の求人も、セキュリティーエンジニアの求人が増えてくるのではないかと思っています。

先日も、WPA2の脆弱性が発表されたばかりですね…

色々と常識が覆ることもあるかもしれませんが、進化の早い業界なので、頑張ってついて行くのが一番です!

私も来春は、SCに挑戦予定です!

まとめ:諦めなければ合格できる情報処理試験

今回取り上げた試験は全て、前提資格や学歴は関係なく、年齢制限もありません。

開催は、ITパスポートは随時、基本情報、応用情報、SCは年二回、そのほかの高度区分は年一回となります。

仕事をしながら勉強をするのはなかなか大変ですが、勉強で身につけた知識は、現場でも身を助けます。

頑張って勉強して覚えたことは、必ず実ります。自分の目標に向けて、ひたすら頑張りましょう!

それでは、よいシンプルライフをお送りください^^

前回の記事はこちら

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