「WordPressが使える」とはどんなレベル?段階別に考えてみた

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当ブログは、WordPressを用いて運用している。

よく、Web業界の求人で必須スキルに「WordPress」と書かれているのを目にするが、これが一体どういったところを指すのか、レベル別に分けて考えてみたい。

当記事で紹介する段階は、あくまでも一ブロガーとしての私の主観であり、業界の標準というわけではない。

レベル0:サーバーへのWordPressインストール、環境構築

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FTPから見たWordPressの各ディレクトリとファイル

WordPressをレンタルサーバー、もしくはサイト提供元のサーバーへインストールして環境構築をする。

インストール自体はレンタルサーバーだと1クリックインストールに対応しているところも多くさほど難しくはない。

基本的にはWordPressのファイルを配置するだけになるが、自社サーバーの場合はパーミッションや仮想ディレクトリの設定なども必要になってくる。

Web業界でここまでの構築を求められるかどうかはわからないが、ひとまずWordPressをインストールしないことには使うことができないため、レベル0として挙げさせてもらった。

レベル1:ダッシュボードからの設定や記事の投稿ができる

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当ブログのWordPressダッシュボード(管理画面)

これはWordPressでブログを書いている人なら誰でもできるだろう。

一見複雑なWordPressのダッシュボードだが、ほぼ全ての作業をダッシュボードから行えて、HTMLやCSSをほとんど意識せずとも記事を投稿することができる。

このレベルで「WordPressが使える」と言っていただけると本当にありがたいのだが、プロの世界はそれほど甘くはない。

Web業界以外で、社内のWebコンテンツ更新などの仕事を行うのであれば、このレベルで問題はないと考えられる。

私も最初は今までの無料ブログサービスとは違う投稿画面に苦戦したが、慣れると非常に使いやすい画面だ。

レベル2:スタイルシートを編集することで想定したスタイルを作れる

WordPressでは主に、「style.css」によってサイト全体のスタイルが定義されている。

プラグインのスタイルシートもあるため、そちらの編集が必要になってくる場合もあるが、指定した場所にCSSを定義して、想定したスタイルを適用できる必要がある。

私はギリギリここに入るか入らないかぐらいのレベル。それでも想定した通りにスタイルが適用できていない部分も多い。

スタイルの定義については完全に独学で、色々なサイトを見ながら、いいと思ったスタイルを適用して書くようにしている。

marginやpaddingなどのボックスモデルを理解していないと理想のスタイルを定義するのは難しい。

画像はヌーラボより。クリックすると参照元サイトへ

私も完全に理解しているわけではないので、迷ったら色々なサイトを参照することが多い。

あとは、クラスやセレクタの概念もCSSを記述する上では重要だと思う。

レベル3:phpを編集して想定した振る舞いに変更することができる

PC monitor

WordPressは通常のWebサイトと違い、ディレクトリにHTMLファイルがページごとに格納されているわけではない。

PHPという言語を用いて、HTMLを生成してブラウザに表示させている。

そのため、ページの構造自体を変えたい(ボタンやフィールドの表示位置など)時は、function.phpなどのphpファイルを編集する必要がある。

たとえば「コメントを残す」などの文言を変えたい場合も、HTML上に直接記述されているわけではないため、php上から該当する部分を探して記述を変更する。

HTMLの知識はもちろん必要だが、さらに一歩進んだ知識の習得が必要だ。

おそらく、実務レベルで、このあたりまでは最低限できることが求められると考えている。

[2017/6/7追記]

【!】テンプレートのcss、phpを編集するときは、テーマのファイルを直接編集するのではなく、

子テーマを作成して、子テーマを編集することでカスタマイズを行う必要がある(セキュリティ担保のため)

レベル4:HTMLサイトをWordPress化

HTMLをWordPress化する時の手順リスト

通常のHTMLで記述されたWebサイトを、WordPressサイトとして変換する。

上の項目にも書いたとおり、WordPressは通常のWebサイトと違い、ディレクトリにHTMLファイルがページごとに格納されているわけではない。

そのため、HTMLで作られた静的なサイトをWordPress化するためには、header.phpや、single.phpなどの形にファイルを分割して、各ファイルを連携させるための記述や、PHPとして動作させるためのコードの記述が必要となる。

WordPressでサイトを表示させる仕組みをよく理解していないとこれらに対応するのは難しいが、今後の需要は多く見込まれそうなのでぜひ身につけておきたい。

レベル5:オリジナルテーマの作成

はじめてWordPressのオリジナルテーマを作るときの参考になればと思って書きました(サンプルダウンロード)
※WebDesignRecipesさんの記事は、制作を勉強する上で参考にすることが多い

Webデザイナー・コーダーを目指すのであればまずはここまでできることが必要だと考えている。

上記で挙げたHTMLサイトからのWordPress化を、自分が作成したデザインを基に行うことになる。

もちろんデザインをするには、PhotoshopなどのAdobe系のソフトも扱う必要があり、学習の範囲も大幅に広くなる。スクールに通ってもいいだろう。

習得には多くの時間と努力が必要だが、ここまでできれば、晴れてWeb業界で仕事をすることもできるし、独立も夢じゃない。

私は現在、このレベルを目指して、ブログの構築やPhotoshopの勉強を行なっている。

レベル6:プラグイン・API開発

wp-restapi

ここまで求められるかどうかは会社にもよってくるが、自作のプラグインなどを開発できると強い。

Web制作会社というよりは、SEやソフトウェアベンダーの領域になってくる。

私も応用情報を受けたり、プログラムを学んだりしているが、プラグインを作れと言われても何がなんだかさっぱり。

実現したい機能を実装するのに開発が必要であれば、この領域まで学習する必要があるが、そうでない場合は既成のもので十分だと思う。

まとめ:”使える”の基準は職種によって全然違う

多くの求人案件には「必須スキル:WordPress」としか書かれていないことが多く、実際にどれくらいのレベルを求めているのかわからなかった。

記事中の”レベル2″くらいのスキルであれば良いのかと思っていた時もあったが、冷静にレベル別で分析してみるとおそらく違うだろう。

コーダーならレベル4、デザイナーならレベル5、Webプログラマーならレベル6までといったレベルでの習得が必要になってくる。

余談だが、友人にフリーランスのデザイナー(DTP・Web両方)がいて、どれくらいのWeb知識が必要なのか聞いてみたところ、

「HTMLタグは</br>しか知らなくてコーディングは全て外注している」

と言っていた。

“デザイン”だけで勝負していくのであればデザインの方に注力するだけでも問題はない場合もある事例だ。

しかし、多くのWebデザイナーやプログラマーのブログを見ても、デザインとコーディング両面から記事を書いていることがほとんどだ。

やはり、どちらもバランスよく学んでいく必要がありそうだ。

私は、デザインよりもコーディングの方が得意な気質であると思うが、やはりデザインの知識もきちんとしていないと良いものを作ることは難しい。

それに加えて、ブログであれば提供するコンテンツの文章構成も磨いていく必要があるため、なかなかの覚悟が必要だ。

それでもブログを書くこと、ページを作成すること、画像をデザインすることは楽しいし、将来的にそれを本業としてやっていきたい。

ブログのキャッチコピーにもあるとおり、シンプルライフをやっているのは自分の夢を叶えるためだ。そのためには、無駄なモノや時間を排除して、自分がやりたいことに全ての資源を集中させる必要がある。

まだまだ成長過程なサイトではあるが、これからも応援していただきたい。

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6 件のコメント

  • 自分の場合はLv4とLv6が逆になってきますね。。w
    たぶんそれだけに5-6時間ぐらい費やせばLv4もできるんでしょうけどね。。w
    まあ趣味ですし、まだ学生なのでゆっくりWordPressについて学んでいきたいと思います。
    <ついでに宣伝>
    自作プラグイン;
    Japanese font for TinyMCE(TinyMCEプラグインに日本語フォントを追加するプラグインです)

    • コメントありがとうございます。
      自作のプラグインを作られているとは!TinyMCE Advancedを使っていなかったので、
      使い始めたら導入してみたいと思います!

      プラグインが作れるのであれば、HTMLページをWordPress化するのも可能だと思います。
      ページ制作と、プラグインの開発というのは少し方向性が変わってきますよね。
      お互いに頑張りましょう!

  • こんにちは。
    「「WordPressが使える」とはどんなレベル?段階別に考えてみた」の記事から関連する記事を
    いくつか読ませていただき、大変参考になりました!
    私もサポート系のITの仕事をしています。個人の趣味でホームページやブログは長く書いているものの
    WordPressはサンプルサイトを作って勉強中というところなので、レベル分けが具体的で
    ありがたかったです。サポート系の文章力があるかたならではですね(*’▽’)

    ほんとはブログをWordPressに移行とも思いながら、15年ほど続けていてアクセス数もあるので
    なかなか踏み切れません。
    WordPressで作成してこそ、レベルが上がっていくと思うのですが。現在レベル2~3です。
    ※自分のですみませんがサンプルサイト載せさせていただきました。

    ありがとうございました!

    • ご覧いただきありがとうございます。同じITサポートのお仕事をされている方のご意見をいただけて嬉しいです。

      15年続けてアクセスのあるブログをWordPressに移行するのはなかなか勇気がいりますよね。私もこの記事を書いてからネットワーク系のSEに転職したので、実はWordPressのレベルはレベル2-3から変わらずといったところです。ブログはプラットフォームより、いかに楽しんで継続できるかといったところが大事なのかなと思っています。

      これからもご覧いただけますと嬉しいです。よろしくお願いします。

  • プロミラミングをスクールの動画を見て勉強しています。講座内容はHTML.CS S.PH Pです。ワードプレスを使いこなす為には、これらの知識が必要でしょうか? web制作をフリーランスでやりたいと思っています。最低必要なスキルを教えて下さい。

    • コメントいただきありがとうございます。業務でWordPressを使用してのサイト制作を行う場合、HTML、CSS、PHPの知識は必須かと思います。私自身、当該記事を書いていた時はWeb制作の業界にも興味があったのですが、現在はネットワークエンジニアの職についており、WordPressは完全に趣味レベルとなります。

      Web制作にも、デザイン、ディレクション、コーディング等の色々な工程がありますので、まずは制作会社に入ってみて経験を積まれてみるのが良いかもしれません。ご期待に沿う回答ではないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

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