手術は無事に完了しました。
現在も入院中となりますが、退院後に治療中の事など記事にできればと思っています。
検査を続けたところ、手術によって切除が必要な腫瘍であることが判明。
手術目前の今、口腔腫瘍ができて検査〜入院に至るまでの流れを紹介したいと思います。
2021年9月中旬ごろから口内炎ができる
2021年の8月から妻の仕事と息子の保育園が始まり、ライフスタイルは妻が専業主婦であった頃に比べると大きく変わりました。
今までは、妻が土日子供を見てくれている時間に少しだけ趣味のスケボーに出かけ、帰ってから家族でお出かけをするのが主な休日の過ごし方でした。
妻の仕事は土曜日も出勤のため、保育園がお休みの土曜日は一日中子供と2人きりで過ごす生活となります。
そういった事情から、主に日中しかできないスケボーに行く時間は減り、代わりにもっと変則的な時間でも楽しめる魚釣りを新たな趣味とすることにしました。
この記事に書いた通り、ちょうど釣りを始めたのが、今年の8月から。
まだ2歳になる前の息子を連れて2人で釣り場に行くのは危ないため、日中は息子と2人で過ごして、釣りに出かけるのは自ずと早朝や夜間などの不規則な時間になります。
それでも私は15年ぶりに再開した釣りが楽しくて仕方なかったため、睡眠時間を削ってでも釣りに行ける日は釣りに出かけました。
不規則な生活が続きすぎたのか、複数の口内炎ができることも多くなりました。
そんな時に、ちょうど今の腫瘍ができている左上の奥の位置に普通の口内炎(アフタ性口内炎と言われるやつ)ができたのが9月中旬頃。
妻からも「ちょっと無理しすぎたのかもね」と言われ、私もそのように思って大して気にはしていませんでした。
しかし一週間後に、その部位が大きく腫れ上がっていることに気づきました。
実は12年前(2009年)にも同じ位置に同じ腫瘍ができたことがある
実は口腔腫瘍ができたのはこれが初めてではなく、2009年にも同位置に腫瘍ができて切除手術をしたことがあります。
生まれて初めての入院で初めての手術・全身麻酔であったため、25歳と若くても体への負担は相当なものでした。
これが、最初にこの腫瘍に気付いた時の私の率直な想い。
結果的に前回の再発なのだけど、この時にはまだ僅かに「放置してたら治るんじゃないか」という希望もありました。
しかし、見た目的に何もしなくて済むような雰囲気ではなかったので、いつも行っている近所の歯医者さんへ
まずは歯医者へ
口の中の異常なので、まずは歯医者さんへ。
本来なら歯科の担当領域ではなさそうだけど、いきなり大病院の口腔外科とかは受診できないので担当歯科医に相談です。
と思い、一週間が経過したものの・・・
治りませんでした
歯医者さんに紹介状を書いていただき、大学病院での検査の始まりです。
大学病院 口腔外科にて精密検査
とは言っても命には変えられないので大学病院の口腔外科を受診です。
自宅からわりと通いやすい場所の病院だったのがせめてもの救い。
CT,MRI,PETの画像検査に加えて、患部から細胞を取る細胞診での検査となります。
CT
今までも何度か受診したことがある造影CT検査。
「造影剤」と言われる薬を点滴して、より体の臓器の内部までCTに写すことが可能になります。
何度も「造影剤のアレルギー大丈夫ですよね?」と聞かれ、今まで何もなかったから「大丈夫です」と答えてたものの、検査直後まさかの39度越えの高熱。
検査の日はコロナワクチン2回目接種の4日後で、副反応は治まっていたものの、遅れてやってきた可能性もあり何とも言えないとのこと。
熱が出てしまったから、PCR検査(鼻の穴に棒を突っ込むタイプ)まで受けることになり、さんざんな1日でした。(PCRは陰性でした)
MRI
磁力を発生させる装置に入って30分くらい画像を撮影する検査。
閉所恐怖症の人は受けられないくらい、狭い筒のような空間に入ります。
刺青やインプラントがある人も、NGな検査らしいです。
こちらは特に問題は起こらず、眠くなって寝てたら検査は終わっていました。
PET
これは、今まで受けたことがなかった検査。
体に特殊な薬剤を注入して機械に入ることで、悪性の腫瘍細胞がある場合に発光して転移などを調べられるようです。
この検査に使われる薬剤は特殊で、検査の直前に病院に運ばれてくるそうです。
そのため、時間厳守の検査(ドタキャンした人とかどうなるんだろう)
「検査15分前には検査室に来てください」と言われて、到着したのが検査12分前だったので看護師さんに結構怒られました。
この薬剤には放射性物質?が含まれているらしく、「検査後1日は乳幼児に接触しないで」との注意書きもあったため、その日は近所のビジネスホテルに宿泊。
この検査にかかった費用は約3万円と、今までの検査の中では最も高額でした。
細胞診
患者の細胞の一部分を綿棒などで採取し診断するのが細胞診。
この検査は#1(正常)〜#5(悪性)の5段階の結果になっていて、結果は#3のどちらとも言えない結果でした。
検査の結果は?
12年前に腫瘍摘出の手術をした地元の総合病院にも治療内容の照会をいただき、前回の腫瘍再発の疑いが強いとの診断となりました。
しかし、診断を確定させるのは、腫瘍の一部をメスなどで切り取って病理検査にかける「生体検査」の結果を持ってとのことです。
「なぜその生体検査を一番にやらないのか?」と疑問に思うところですが、腫瘍の部位を傷つけることになるため、悪性だった場合に処置を急ぐ必要があり影響が大きいため一番最後になるとのことでした。
そして、口腔外科担当医の提案により、別の病院へ転院することになりました。
しかし我々にはこの腫瘍に対するノウハウはなく、どこまで取りきればいいのか、大きな範囲を切り取ると術後の食事等に影響がありQOLが下がってしまいます。
QOLを重視して切除範囲を小さくして取りきれなかった場合の治療方法についても不明な状態です。
頭部の腫瘍専門の病院を紹介します。
そちらの病院に行かれてみて、そちらで治療されるか、当院で治療するかを選択してください。
「〇〇を買ったらQOLが爆上がり!」とかSNSでよく目にするけど、そんなに軽々しく使っていい言葉ではないと実感
専門病院にて治療
大学病院の口腔外科から検査結果を送っていただいたので、専門病院での検査は最終的に腫瘍の一部を切り取る「生体検査」のみとなります。
先生の腕のおかげか、局所麻酔の注射も切り取りも全然痛みなく終わり、一週間後に検査結果を聞きに行くこととなりました。
検査結果と治療方法 歯を失う…?
全身麻酔で手術。3−4時間くらいかな。
前回より結構大きくなってると思う。左上の歯、前歯とあと一本は残せるかな・・・
あとは、特殊な入れ歯を入れて傷口を埋めてあげれば普通に生活できるよ。
37歳で部分入れ歯・・・
私は何よりもこれが一番ショックで、親に伝えるのが辛かったです。
前回の手術で左上の奥歯が1本だけ無くなり、慣れて普通の生活を送っていたもののそこからさらに3本、4本と歯が無くなれば入れ歯無しに食べ物を噛むことは不可能です。
自分は元々虫歯になりにくく口腔ケアも頑張っていたので、歯並びや歯の状態も歯科衛生士さんに褒められることが多く、このように歯を失ってしまう事は本当に残念。
有名なベテランの先生だし、もう他に治療法の選択肢はどこに行ってもないのだと思います。
余談ですが、先生にこの病気の人がどれくらいいるのか聞いてみたところ「20年やってて4年に1人くらいかな」とのこと。
そんな希少な病気にまさか自分が当たってしまうとは…
100人に1人が当たるクジにすらも当たることはないのに、こんなに悪い事だけ低い確率を引いてしまうのが人生の厳しいところだと思いました。
しかし、こうなってしまった以上命には変えられません。前向きに治療に臨むしかないです。
手術説明の日
手術日や入院の予定を決めるため、家族を連れてきてほしいと言われ、妻と息子と3人で病院へ。
病気の状態や手術の方針について、再度説明していただきました。
- 12年前の腫瘍が再発してる
- 実際には副鼻腔(上顎洞)内にある腫瘍が大きくなって骨を破って口内に出てきてる
- 手術の方法や切除範囲は、上顎洞がんの場合と同等
- 手術は全身麻酔で3−4時間
- 入院は2−3週間
- 手術で腫瘍に面する骨も削る事になる
- 口の中と鼻の穴が直接繋がる
- 左上の歯はほとんどなくなる
- 場合によっては、顔の正面の皮膚から切開が入る
- 傷口を塞ぐために太ももの皮膚を取って植皮する
- 大量出血が予想されるから輸血の可能性がある
- 手術後5日は鼻から入れたチューブから流動食
- 涙の管が傷付くから手術後はチューブを入れて目やにを排出
- 傷がおさまるまでの半年間は傷跡にガーゼをつけてマウスピースで塞ぐ
- 半年後から専門の歯科技工士さんに入れ歯を作ってもらう
前回の手術ではここまで大きな事は無かったのですが、今回は位置と大きさが悪かったようです。
それに加えて今のご時世で家族との面会は禁止。厳しい入院生活を送ることになりそうです。
悪性?良性?
腫瘍ができた時に一番気になるのは、それが悪性なのか良性なのか?ではないでしょうか。
今回、私もそれが一番の気がかりでした。
しかし、色々な病院の先生の話を聞いているうちに、「腫瘍と言うのは必ずしも”悪性”か”良性”に分けられるものではない」事を初めて知りました。
腫瘍そのものは転移性がなく良性に見えても、周りの組織や骨を攻撃する悪性の動きもすることもあるようです。
今回の私の腫瘍がまさにそれに該当していて、診断としては”中間の悪性”と言われています。
なお、病名については病院や個人の特定に繋がるため、記載しないようにします。
全身麻酔は怖い
12年前の腫瘍切除も全身麻酔で行いました。
全身麻酔と聞くと、
と思っていました。
しかし、実際に麻酔科の先生の説明を聞くと
思った通り、尿管のチューブは違和感が凄かったし、抜くときめちゃくちゃ痛かったです。
あと、全身麻酔は薬が入ってくると一瞬で意識を失います。
これも、気持ちいいと捉えるか、怖いと捉えるかは人それぞれですね(私は怖いです)
目が覚める時は、普通の寝起きと同じような感じで本当に「寝てたら終わった」感じにはなります。
しかし、「手術の最中に目が覚めたらどうしよう」「そのまま目が覚めなかったらどうしよう」といった不安は医学が進歩した今もやっぱりありますね。
そして、同意書にも「意識が戻らなかったり障害が残る可能性が〇〇万分の1であります」とか書いてるのが怖いです。
「こちらも〇〇万分の1の病気に当たっているので、これも当たったらどうしよう…」といった不安はあります。
まぁ、いったん麻酔で意識が落ちてしまえば後は恐怖を感じることも何もないのですが。
経験者には「リラックスして行きましょう」と言われています!
周りに病気の人がいる時は
今回、家族や会社の人など周りの人には、心配をかけないように明るく振舞ってきました。
でも、やっぱり心の中は不安や恐怖、「なぜ…?」といった気持ちでいっぱいです。
周りに病気の人がいる時は、過剰に気を遣う必要もないのだけど、少し遠くから気遣ってもらえることがわかると本人にとっては一番よいのかなと思います。
あと、病気の人にこういったことを言うのはNGです。
- 〇〇な生活をしているからだ
- 〇〇をしていない(〇〇を食べない)からだ
- 〇〇を信仰していないからだ
- 世の中にはもっと〇〇で大変な人がいるから大丈夫だよ
- 「悪性?良性?ステージは?病名は?」などの質問攻め
まぁ、私のブログを読んでくださる良識のある方はこのような事は言わないと思いますが、意外と身近にいたりするんですよね。
病気(特にこのような腫瘍の類)になる事は、何をしたからでも、しなかったからでもありません。
真面目に生きていても、不真面目に生きていても病気になるときはなります。
今回も前回も、医師から「生活習慣との因果関係はない。原因は不明」とはっきり言われています。
とは言え、飲酒喫煙や暴飲暴食なんかは、やっぱり何らかの病気の引き金になりやすいので気をつけたいところですね。
やりたい事は全力で!
最初の方にも「釣りをまた始めた」と書いていましたが、始めた1ヶ月後に腫瘍に気がつく事になりました。
大学病院での精密検査が始まったあたりから「もう、入院手術からは逃れられないな」と薄々感じていたので、悔いが残らないよう
- 家族との時間を最大限に取る
- 趣味の釣りをとことん楽しむ
- 食べたい物をとにかく食べる
事を心がけて、この数ヶ月は生活してきました。
スマホを見てる時間が多いと思ったので、TwitterなどのSNSはいったんお休みしたり、「行きたい場所、食べたいものリスト」を作って家族と出かけたり1日1日大切に過ごせたと思っています。
緊急事態宣言も解除されお気に入りの飲食店にたくさん行くことができて、食に関しても大満足できました。
手術の場所が場所なので、今後の飲食に関することが一番の心配であり辛いと思っていることです。
だから悔いを残さないよう、食べたい物は値段を気にせず楽しみました。
家族と仲良く過ごしたり、好きな事に集中したり、好きなものを食べたりする事は、きっと病気への抵抗力を高めてくれます。
いつもお世話になっている近所の小料理店の女将さんがいらっしゃるのですが、入院する事を話すと「お見舞いに行けないから、入院前に美味しいものを食べて行ってもらいたい」とのことで、お勧めのお寿司屋さんを予約してくださり家族でご馳走になりました。
心遣いが本当に嬉しかったです。
そして入院へ
入院の前日ギリギリまで変わらず仕事をして、バタバタで準備をしながらの入院となりました。
ありがたい事に(?)もうすぐ5年目となる現在のシステムエンジニアの仕事はとても忙しくなり、部署内で私が任される仕事のウエイトもとても大きいものになっていました。
それを全て他の人に任せる事は多少心苦しいことではあるのですが、こういったことは誰にでも起き得ることなので、組織的に解決してもらうしかありません。
一つ言える事として、「入院や療養のある場合、前日ギリギリまで仕事をしない事」をお勧めします。
これも職場や周りの人によるもので、周りの人が積極的に仕事を巻き取ってくれたり、スケジュールに合わせて仕事量を調整してくれるのであれば前日まで仕事をしていてもいいのですが、うちの場合はそうではなかったので非常に大変でした。
思えば今まで、仕事の事、家庭の事、自分の健康の事で、常に「調査・考察・判断」を行ってきました。
これは一旦、色々な事を休むタイミングなのかもしれません。
病院に入院している間は、医療スタッフの方が治療や食事などの生活の面倒を見てくれます。
その間、このようにブログを書いたり、好きな小説を読んだり、見たかった映画を見たり、英語の勉強を再開したりして前向きに自分の時間を過ごしたいと思います。
手術の不安はやはり残りますが、今は昔と違って支えてくれる家族や仲間が多くいます。
前向きに手術に臨みたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
また元気に色々な方と交流できる日を楽しみにしています。