口腔腫瘍ができてから、手術〜退院までのお話

2021/12/30追記

12月24日(金)に無事退院することができたため、退院までのことを追記しました。

前回記事に書いた通り、2021年9月から口の中に腫瘍ができて、12月より入院することになりました。

今回は、入院してから手術〜療養〜退院の流れを紹介したいと思います。

今後入院の予定がある方の何らかの励みになると嬉しいです。

手術前日

バタバタと入院の手続きをして病棟に入ったら、次の日にはもう手術です。

前回も同じように前日に入院→手術で、他に同じような経験をした方の話を聞いても同じ流れだったため、手術の前日に入院というのはわりと一般的なのだと思われます。

口の中(正確には、副鼻腔のうちの上顎洞)に腫瘍があるだけで、痛みもなく体もめちゃくちゃ元気なのに、病院に入院しているのは何だか不思議な感覚です。

入院後は完全フリーというわけではなく、手術に向けての最終的な検査、各担当医や看護師からの説明を聞いたりとスケジュールが詰まっています。

そして、食事は当然ながら病院食。

手術前日の”最後の晩餐”

今回、口の中から手術をするので手術後の食事は相当に制限され、今思えばこれがまともな固形食の“最後の晩餐”となりました。

この記事を書いた12月19日現在も食事はこのような「通常食」に戻っておらず、全てミキサーにかけられて出てきています。

飲食禁止となる時間ギリギリまで、大好きなお菓子とコーヒーを楽しみました(これも再び味わえるのはかなり先)

手術が怖すぎて眠れないかと思いきや、前日までの仕事の忙しさでたまった疲れのおかげか消灯後から起床時間まで爆睡していました。

手術当日

手術当日の早朝、看護師さんがアルジネードウォーターと言われる水を「2本飲んでください」と持ってきてくれました。


経口補水液で、OS-1のようなものです。手術中の脱水を防ぐ効果があるそうです。

これが、手術後に飲水が解禁されるまで口から飲める最後の飲み物になります。

めちゃくちゃ体に染みわたった事を覚えています。

手術後の飲水禁止期間中も、この水を飲みたいと何度も思いました。

飲んだら、手術着に着替えて手術の時間を待つのみです。

Shin
怖い…

けどもう手術までにやりたい事はやり切ったし、腹も決まったからあとは待つのみ。

思うに、手術前日や直前に恐怖から手術を断念(延期)した方ってある程度いらっしゃるんじゃないでしょうか。

男であっても大人であってもやっぱり“怖いものは怖い”です。

いざ、手術室へ

手術の時間になると、担当の看護師さんが迎えに来てくれます。

看護師さんと一緒に自分の足で歩いて、専用のエレベーターで手術室のあるフロアへ向かいます。(前回も違う病院で同じ流れだったから、大体このような流れなのだと思います)

エレベーターで手術室のあるフロアに到着すると、そこは病院のどのフロアとも違う無機質で金属的な雰囲気が漂っていました。(多分壁の色や金属製の扉のせいかと思います)

そこにいる医師や看護師全員が、いつもの白衣ではなく手術着を身に纏っているのを目にすると、やはり「ただ事ではない」と感じます。

こんな感じの服

大病院なので、「いったいどれだけ手術室があるんだ?」と思うくらい、手術室の扉の前を通って自分の手術室に向かいます。

その間で、自分と同世代かもっと若いと思われる方が手術室に向かうのを複数人目撃したため、「若くても病気で苦労しているのは自分だけではない」と実感しました。

自分の手術室となる部屋の金属製の自動ドアを抜けると、すぐに手術台が見えました。

Shin
間違いなく、これからここで手術を受けるのは自分です。どうあがいても変わらない現実です。

恐怖の全身麻酔、再び

前回記事にも書いた通り、私は全身麻酔がすごく怖いです。

「寝てたら手術が終わる」だけなら凄くいいのですが、麻酔がかかってる間、気管に管を通して人工呼吸になる(気管挿管といいます)恐怖や、意識が戻らなかったらどうしようなどの恐怖もあります。

手術台の上に乗ったら、間髪入れずに全身麻酔の時間はやってきます。

口には呼吸をするための酸素マスク、腕には気分を落ち着けるための薬液が入った点滴が入ります。

そして、胸に心電図用の電極が貼られると、「ピッピッピッ」っと医療ドラマでよく流れる「あの音」が、手術室全体に大きな音で響き渡ります。

Shin
「ピーーー」ってなったらアウトなあの音です。

そして手術の準備はもう完璧に整ったようです。

麻酔科医
それでは、本格的に眠っていくお薬を入れますね。
Shin
あーきたきたきた

これ本当に意識飛ぶのかな?

(数秒で意識消失・・・・・)

あらためて、今回の手術内容

実際の手術説明書の写真

前回記事の内容そのまま引用となりますが、今回の手術は「左上顎部の部分切除」で以下のような影響があります。

【閲覧注意】治療方針の説明
  • 12年前の腫瘍が再発してる
  • 実際には副鼻腔(上顎洞)内にある腫瘍が大きくなって骨を破って口内に出てきてる
  • 手術の方法や切除範囲は、上顎洞がんの場合と同等
  • 手術は全身麻酔で3−4時間
  • 入院は2−3週間
  • 手術で腫瘍に面する骨も削る事になる
  • 口の中と鼻の穴が直接繋がる
  • 左上の歯はほとんどなくなる
  • 場合によっては、顔の正面の皮膚から切開が入る
  • 傷口を塞ぐために太ももの皮膚を取って植皮する
  • 大量出血が予想されるから輸血の可能性がある
  • 手術後5日は鼻から入れたチューブから流動食
  • 涙の管が傷付くから手術後はチューブを入れて目やにを排出
  • 傷がおさまるまでの半年間は傷跡にガーゼをつけてマウスピースで塞ぐ
  • 半年後から専門の歯科技工士さんに入れ歯を作ってもらう

前回、同じ病気で同じ場所の手術をした時は、左上の親知らずとその手前の歯一本がなくなっただけであとは一週間くらいの入院で退院できました。

今回は、それより切除範囲も大きく、やや大規模な手術となります。

何とか顔の表面からの皮膚切開は免れ、すべて口内からの切開で手術は完了しました。

前回より大掛かりですが、そこはさすがの全身麻酔。“手術中の記憶”は一切ありません。

無事に手術終了

看護師
Shinさん、Shinさん!

手術終わりましたよ。

Shin
zzz…

はっ! 今日は早起きして釣具の上州屋に寄ってから釣りに行く日だった!

寝過ごしてしまったから早く家を出ないと!

看護師
あー起き上がらないでください!

このように、本当に家で寝てて寝坊した時と同じ感覚で目が覚めました。

自分がなぜその場所にいるのか、しばらくわかりませんでした笑

そして意識が戻った直後に、流動食用のチューブを鼻から通されます。

Shin
苦しい・・・

麻酔が効いてる間にチューブを通すんじゃないのか・・・

恐らく喉の飲み込みのところまでチューブを通さないといけないので、意識がある状態じゃないと上手く入らないのかなと推測します。

ストレッチャーに乗せてもらって自分の病室へ。手術時間は、約4〜5時間だったようです。

手術後の1日

手術が終わったことをいち早く妻に伝えたかったのだけど、スマートフォンを手に取って文字を打つこともできず連絡が遅れ、非常に心配をかけてしまいました。

このご時世で付き添いやお見舞いも禁止なので、手術が無事に終わったことを知らせる手段が他にないのがなかなか辛いです。

看護師さんに聞いたところ、手術中の出血が凄かったようでやはり輸血が必要となりました。

手術中にも輸血していたのかもしれませんが、手術後も生命維持のため血液製剤を点滴することになりました。

Shin
とりあえず一番恐れていた手術は終わった・・・

鼻にも口にもガーゼがぎっしり詰まっていて、どれくらいの傷跡なのか、歯がどれくらい残ったのかも全くわからない。

顔も腫れて片目も開かないけど、とりあえずあとは回復していくだけだ。

安静にしていれば徐々に回復していくと思ったものの、想像以上の傷の深さから回復までは結構な時間を要することとなりました。

手術から回復までの様子

違和感半端ない”鼻チューブ”


今回、口の中を大きく切り取る手術であったため、手術後の食事は鼻から胃に管を通して直接流動食を送り込む方式となります。

流動食を送り込むことよりも、常に鼻からチューブが通っていることの違和感が凄く、そのチューブの先端がちょうど喉の飲み込みのところにあるため、常にイガイガと苦しい状況でした。(夜中は特に)

Shin
水飲んでいいですか?
看護師
ダメです!

わかっていながらも、何度もこのやり取りを繰り返しました。

それぐらい喉が焼けるような感覚が苦しかったです。

しかも数日後、夜中に無意識に鼻チューブを抜いてしまったらしく、また入れ直しとなってしまいました・・・

口から水を飲むのがOKになったのは手術から4日後、鼻の管が取れたのは手術から7日後となりました。

Shin
口から水が飲めるのは本当にありがたいことだと実感。

恐怖の尿管チューブ

こちらも前回記事に書いた通り、私が全身麻酔を恐れる大きな理由。

手術中はトイレに行くことはできないため、尿道にチューブを通して尿を排出します。

経験したことある方はわかるかと思いますが、男性の場合違和感が凄く、抜く時もめちゃくちゃ痛いです。(女性の場合はそうでもないようです)

Shin
抜く時は、“痛い”を通り越えて”熱い”

医療の進歩によって他の方法が生み出されることを切に願っています。

今回は上に書いた”鼻チューブ”のインパクトが大きく、尿管チューブを抜く痛さは前回よりは少しマシだったように感じます。

抜いてから2日くらいは排尿痛があるので、これはこれで辛いです。

止まらない顔の腫れと高熱

今回、手術後の顔の腫れと高熱が酷かったです。

手術の部位となった左側の顔は、見たこともないくらいパンパンに腫れました。

かなり強めのボカシをかけていますが、一応写真載せておきます。やや閲覧注意です。

顔の腫れは、手術後2,3日がピークでその後徐々に回復し今(12/18現在)は完全に治っています。

それよりも手術後の体の防衛反応か、38℃〜39℃超えの熱が出る状態が10日以上続き苦しかったです・・・

Shin
手術さえ乗り切れば、あとは本を読んだりブログを書いたりゆっくりと過ごせるようになると思っていたものの、毎日何らかの不調と闘う日々となってしまいました・・・

太ももの皮膚ベリベリ

先の項目にも書いた通り、口の中をえぐるような手術であるため、傷口をそのままにしておくと口が開かなくなってしまうそうです。

そのため、太ももの皮膚を剥がして傷口に貼り付ける(植皮と言うそう)ことで、傷口を塞ぐ対応が必要となります。

右側の太ももから皮膚を移植

太ももの傷は最初はヒリヒリと痛みましたが、今では全然気にならなくなりました。

余談ですが、手術の前日に「両太ももの毛を剃っておいてください」と看護師さんに言われ、お風呂場に行ってカミソリで自分で剃りました笑

食事を”飲む”

食事の全てがミキサーにかけられている

手術から7日後に、やっと写真のようなミキサーにかけられた食事に変わりました。(それまでは鼻から流動食)

手術から2週間以上が経過した今も、食事は全てこの状態で提供されています。

Shin
離乳食も比じゃないくらい全てが”液体”

体調不良時は完食するのが厳しかったものの、回復してきた今は消化に良すぎて凄くお腹が空きます。

固形物を口にできるのはいつの日か・・・

今は通常の食事に戻ることを目標にしつつ、入院生活を頑張っています。

退院まであと少し?

左は大門にある「芝大神宮」のお守り、右は妻が買ってきてくれた地元の神社のお守り

今回、手術〜退院までの流れを記事にしたかったのですが、記事に書いた通り、回復に予想以上の時間がかかりまだ退院日の目処が立たない状況です。

焦らず、じっくり回復を待ちたいと思います。

2021/12/30追記 退院の日は突然に

こちらの記事を最初に投稿した12/19時点では、食事もミキサー食で全然固形物を口にできていない状況でした。(あまりに口寂しかったので、いいかどうかはわからないけど売店でチョコレートやスナック菓子などを買って食べてましたw)

何となく、食事が多少固いものになっても食べられそうな感じがしたので先生に伝えたところ、「食上げしていきましょう」ということで、だんだんと粒の入った食事にレベルアップしていくことに。

粒感のある食事と、具のある汁物。これは本当に嬉しかった

今まで液体のような物しか食べられず、消化に良すぎてすぐにお腹が空いていたので、これは本当に嬉しかったです。(ご飯だけは退院の時までお粥のままでした)

そして、食事が戻ってきたところでやっと退院の目処が経ちます。

主治医
12/24の退院目指して頑張っていきましょう!
Shin
よかったです。家族で過ごすクリスマスに間に合います!

そんなわけで、退院までの数日間はすこぶる体調も良く、今まで読みたかった小説を読んだり、観れてなかった映画を観たりとやっと自由に過ごすことができました。

「手術から数日経てば体調も回復して暇になるだろう」と思っていたものの、最初の2週間は痛みや熱に耐える地獄の日々となり、ゆるりと過ごせたのは最後の一週間ほどとなりました。

退院当日も特に体調の悪化などはなく、めでたく退院です。

3週間ぶりの外の空気、12月に入って初めての冬の空。そして、3週間ぶりの妻と息子との再会。

天気もとてもよく、退院するには絶好の日和でした。

しかし、長らくの入院生活で筋肉が弱っているのか、地下鉄の駅まで歩いてホームまで下りただけでふらふらしたりと、日常の生活に戻すには色々なリハビリが必要な状況です。

体力面だけでなく、手術で欠損した上顎部分にガーゼを詰めてマウスピースを付けたりと、今までの日常生活にはなかったルーティンもこれから必要になってきます。

今現在、仕事の復帰に向けてリハビリに励んでいます。

辛い経験となりましたが、これからの人生に少しでもプラスになることがあれば嬉しいです。

この記事が、手術や病気療養を控えている方の何らかの励みになりますと幸いです。

腫瘍発見〜入院までの記事はこちら

口腔腫瘍ができてから、入院までのお話

2021年12月1日

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