人生で2回目のエクスプローラー購入となってから、早いもので2ヶ月となりました。
今回は、2ヶ月間使用したエクスプローラーの使用感を、以前所持していた前期型との比較も含めレビューしたいと思います。
2ヶ月間使用したエクスプローラーの外観
2ヶ月間使用したエクスプローラー。着用頻度はそれほど高くないため、まだまだ綺麗な状態です。
以前も同じモデルの前期型を使用していた感触としては、ベゼルがポリッシュなので1年くらい使用すると相当に傷がつきます。
前期型との比較は後の項目で紹介しますが、このようにポリッシュベゼルは普通に使用していると相当に線傷がつきます。
しかし小傷は味になるし、気になればオーバーホールの時に磨いてもらえるのでそれほど気にすることでもないかと思っています。
バックル部分はデスクやPCなど固いものに触れる機会が多いため、多少の傷は付いています。
購入から現在まで、まだまだ長袖の時期であるため、時計が露出する機会も少なく傷は最小限に抑えられています。
デザイン
ダイアル
3,6,9の数字のみが配置されたシンプルなダイアルは、長年エクスプローラーの人気を支え続けたRef.14270,114270から多少の変更はあるものの、基本的な意匠は変わっていません。
オイスターパーペチュアルや旧エアキング等のシンプルモデルとの大きなデザインの違いは
- 文字盤がツヤなしのマットブラック
- 12時位置インデックスが王冠ではなく「▽」
- 短針がベンツ針
今回エクスプローラーを買う前に、似たデザインで同性能、まだ入手しやすいと思われるオイスターパーペチュアル39mm(Ref.114300)も候補に上がっていました。
しかしながら、上記で挙げたエクスプローラー独自のデザインが好みであったため、購入できるまでじっくりと待つことに。
裏を返せば、エクスプローラー独自のデザインが好みでない(ベンツ針が苦手とか)であれば、ムーブメントが同じオイスターパーペチュアル39を選ぶのも、選択肢として十分にありです。
ブレスレット
ブレスレットは、他のスポーツモデルと同様に3連のオイスターブレスレット。
完全に私の持論なんですが、ロレックスって文字盤のある時計本体部分と比較して、5割くらいの価値がブレスレットにあると思っています。
そのくらいブレスレットの質感が高く、現行型になってさらに質感が上がりました。なので正規価格が結構値上がりしていることについては納得できます。(並行や中古の相場が爆上がりすることは納得できない)
で、このブレスレットの質感、私がロレックスに行き着くまではオメガやIWC、グランドセイコーなどの候補も多数見てきたのですが、ことブレスレットにおいてロレックスを超えると思った物はありませんでした。
なので、IWCのマーク18もブレスレットではなく革ベルトのモデルを選んでいます。
バックル
バックルも他のスポーツモデル同様にダブルロック式。
1段階目をパチっとはめ込んでから、2段階目でロックをかけるようになっています。
写真は2段階目をまだ止めていない状態。ちなみに、この2段階目のロックするパーツは「セーフティーレバー」という名称だそうです。
昔は、このダブルロックが面倒で、「シングルロックにできないかな」と思っていたものの、安心感があるし「パチパチと2段階で時計をつける動作」が、朝出かける前の儀式としても程よいのでダブルロックでよかったと思います。
なお、オイスターパーペチュアルやミルガウスなどのシングルロックのモデルが外れやすいかと言うとそんなことはなく、独自の機構で十分に外れにくい仕組みになっています。
旧モデルのバックルと比べると多少厚みが増しているので、デスクなどにゴツゴツと当たる感じは気になる方は気になるかもしれません。
エクステンション(サイズ調整機構)について
エクスプローラーにもプロフェッショナルモデル独自のエクステンション機構が搭載されていて、ブレスレット調整なしで約5mmの長さ調整が可能です。
写真の通り、エクステンションを伸ばした状態にすることで、工具も何も使わずブレスレットを少し長くすることができます。
折り畳んだ状態でジャストなサイズにしておいて、夕方腕がむくんできたり暑くなってきたときに伸ばした状態にするのがおすすめです。
エクステンションの調整は、慣れれば時計を外さなくてもバックルを完全に開いた状態で行うことができます。
着用感・使用感
スポーツロレックスの中では最軽量のエクスプローラーなので、着用していて疲れることはありません。
重量は、2コマ外した状態で129g
もう一本持っている腕時計のIWCマーク18(75g)と比べるとだいぶ重量感はありますが、疲れるほどの重さではありません。
私は基本的に、家を出る前に付けた腕時計は家に戻るまで一度も外さない派です。理由は紛失や落下を防止するためです。
なので着用感や装着していて疲れないことは、時計を選ぶ上では重要なポイントとなります。
腕がむくんできたり暑くなってきたなと感じたら、上の項目で紹介したエクステンションを伸ばして使用しています。
金属アレルギーについて
ロレックスのステンレススチールモデルは、耐食性の高いSUS904Lが使われています。
これによって、安価なステンレスに比べると「アレルギー反応を起こしづらい」とされています。
なので、絶対に金属アレルギーが起こらないわけではありません。
かく言う私も金属アレルギーで、以前同じモデルをしていた際にはアレルギー反応が全く出なかったものの、現在長時間に渡って着用すると、時々時計が触れている部分に湿疹ができることがあります。
このあたりは、自身の体調によっても変わってくる部分なので、体の調子を整えたり、汗を小まめに拭く、時計そのものを清潔に保つことでだいぶ改善されてくる部分ではあります。
精度とパワーリザーブ
精度について
電波時計並みの精度の高さが、今回改めてエクスプローラーを購入して最も驚いた点です。
以前購入した時は自動巻の時計が初めてだったし、そもそも多少の時刻はズレるものと思っていて気にしていなかったのですが、今回「今のロレックスってこんなに精度高いの?」と驚くことに。
ロレックスが定める「高精度クロノメーター」規格では、日差が−2秒〜+2秒ほどと言われています。(スイスのクロノメーター規格でも−4〜+4秒)
当モデルも本当にそれぐらいの日差で、1週間使用しても10秒ほどのズレしかなく、止まりさえしなければ長期間時刻合わせなしで使えそうな勢いです。
手持ちのIWCと比べても精度の高さは歴然の差なので、昔に比べて今のロレックスの価値が上昇しているのは、こういった内部のアップデートもあっての事なのかなと思いました。
パワーリザーブと巻き上げについて
パワーリザーブは標準的な48時間。
丸2日間付けなければ止まってしまうことになります。日付機能が無いので、止まってしまったとしても簡単に時刻を合わせられます。
止まってしまうのが気になる方は、1日20回程度巻き上げておけば1日放置しても止まることは無いです。(完全に止まっていない状態での巻き上げが前提)
リューズはねじ込み式で、反時計回りに回転させるとリューズを開放することができます。巻き上げはこの状態で行います。
巻き上げの感触はETAムーブメント搭載のマーク18と比べるてズッシリと重く、ゼンマイが巻かれる感覚がしっかりと伝わってきます。
開放したリューズを引くと、秒針が止まり(ハック機能)時刻合わせ可能な状態となり、リューズを“時計回り”に回す事で時刻を進めることができます。
日頃のお手入れについて
日頃のお手入れは、時計好きの間では有名?な“キョンセーム”というセーム革を使用して磨くのみです。
こちらのキョンセームは、時計に限らずアクセサリーやスマホ、PCの液晶なども傷つけず綺麗に拭くことができる優れ物です。
ポリッシュの部分も傷を付けずに磨くことができて、サファイアガラスについた指紋や油汚れなども綺麗に拭くことができます。
まだそれほど汚れてはいないのですが、皮脂汚れ等が気になる時はハンドソープを付けて優しく水洗いして、クロス等で水気を拭き取ってから乾かすようにしています。
また、さらに汚れが酷くなった時には、柔らかい歯ブラシを使って洗うのが良いとロレックスブティックのスタッフさんに教えていただきました。
エクスプローラーは比較的ツルッとしたデザインなので、基本的にはセーム革で磨くのみでOKです。
前期型との比較
実際に自分が過去に所持していた前期型(2013年製)との比較画像です。大きな変更点は以下となります。
- 長針が太く・短く
- 369の文字が夜行に
使っていて特に「時刻が読みづらい」ということはなかったのですが、やはり後期型のようにインデックスに届いている方が時刻合わせもやりやすいです。
そのほか、369のインデックスは前期型はシルバーのみ、後期型は夜光塗料が塗られていて暗いところで光るようになっています。
前期型のインデックスは「ブラックアウト」と言われています。どちらを選ぶかは完全に好みなので、こだわって前期型を手に入れるのも全然ありです。
そのほか、バックル三つ折りのロゴが入っている部分は、前期型がサテン仕上げ、後期型がポリッシュ仕上げとなっています。
使用感に差はないですが、個人的には前期型のサテン仕上げの方が良かったかなーという気がします。
このように、前期型と後期型でも絶妙なディテールの違いはあるので、是非是非こだわって探していただきたいと思います。
Ref.14270,114270との比較
実際に所持したことはありませんが、旧型の14270、114270と試着にて比較した感想です。
14270と114270は見た目上の違いが少ないです。14270はルーレット刻印がなかったりと多少の違いはありますが、本項目では同じ旧モデルとして扱います。
現行モデルと旧モデルの大きな違いは、サイズ感と重量です。
旧モデルはケース系36mm、現行は39mmであるため、見た目は全くの別物です。
114270が現行だった時からエクスプローラーが欲しかったのですが、モデルチェンジで39mmになったことを機会に最初の購入に踏み切れました。
それぐらいサイズ感が与える見た目の印象は大きく、腕に乗せてみると自分にどちらが似合うのかはすぐにわかります。
私もそれほど腕が太くないので36mm一択かなと思っていたのですが、39mmを腕に乗せてみてすごくしっくりきたので現行モデルを選びました。
サイズ感が見た目に与える印象としては、36mmだとラフな古着系のコーディネートに合わせやすい・NATOベルトなどの変えベルトも似合うといったメリットがあり、39mmだとカッチリするので、わりとキレイ目のコーディネートでベルトは交換せずそのまま使うのが合うかなと思ってます。
重さの違いとしては、旧型が約105g、現行が約137gと見た目上大差がないように見えるものの、手に取ると全く違います。
現行モデルは、旧型のエクスプローラー2やサブマリーナーよりも重いです。
旧型のブレスレットは中空で軽さがある分、ブレスレットの高級感は現行モデルの方があります。
“究極の実用時計”であるロレックスなので「高級感がある」方がいいのかと言えば必ずしもそのような事はありません。ファッションや使い方に合わせて、あえて旧型モデルを探す選択肢も十分にアリだと思います。
それぞれのモデルのおすすめポイントについて、次の項目で紹介します。
エクスプローラーはどのモデルが買い?
2020年4月現在、エクスプローラーを購入しようとした場合、だいたい以下の4つの選択肢になると思います。
- 現行 後期型214270
- 前期型214270
- 旧型114270または14270
- 4桁リファレンスのアンティーク
❶ 現行 後期型214270
私が選択したモデルです。
今回の選択肢の中では、唯一正規店で購入できるモデルであり、昨今の相場事情を考えると正規店購入の場合は最も安く入手することができます。
214270は2010年からのモデルであるため、そろそろ生産が終了し、モデルチェンジが行われるのではないかと時計業界では噂されているようです。
現行エクスプローラーのデザインに文句がなければ、今のうちに手に入れるのが吉かと思います。
モデルチェンジ後、「ムーブメントだけ変わってパワーリザーブが70時間になりましたー」となると、ちょっと待てば良かったなという気がしますが…
しかしながら新モデルが発表されてそれが気に入らなかった場合、214270最終型モデルを探すのは今以上に難しくなりますので、どうしても欲しい方は今のうちに探されることをおすすめします。私が現行モデルを探し当てるまでの経緯は、こちらの記事にまとめています。
個人的には、自分が選択していることもあり、最もおすすめの選択肢です。
❷ 前期型214270
前期型の214270は、中古だと後期型より10万円近く安く販売されていることがあります。
また、タマ数もそれなりにあります。(現に私も、過去に中古市場に放出してしまったので)
そのため、少しでも安く214270を手に入れたい方、前期型の長針やブラックアウトのデザインが好きな方はこだわって前期型を選ぶのもアリです。
もしかしたら、未使用品が見つかることもあるかもしれません。
❸ 旧型114270または14270
前の項目でも紹介した通り、ファッションに合わせて旧型の5桁モデルを選ぶのも充分にアリです。
中古相場が爆上がりする2017年ごろまでは、40万円代で購入できるタマも相当にあった記憶ですが、現在は60万円代まで相場が上がってきています。
中古市場には相当数流通しているモデルであり、昨今の事情を鑑みると今後中古相場は大きく下がる可能性もありますので、現在は様子見がおすすめかと思います。
価格的には、14270の方が少し安めな印象です。(ブラックアウトなどのレア個体は除く)
14270はシングルロックや、トリチウム/ルミノバモデルなどの個体差もありますので、こだわって選びたい方は希望のタマを見つけるまで粘り強く待つのがいいですね。
あと、旧モデルはどちらも文字盤の「EXPLORER」の文字が下半分ではなく上半分にあります。
この辺りもデザインの好みが出てくるところなので、しっかりと自分の好みの物を選びましょう。
❹ 4桁リファレンスのアンティーク
たぶんこのモデルを検討する方は、すでにエクスプローラーを持っているか他のロレックスを持っていると思います。
値段も値段だし、最初の一本のロレックスにするには扱いにも気を遣うしおすすめはできません。
しかしながら、見た目は現行型とも旧5桁モデルとも全く違いますので、アンティークのデザインに惚れたのであれば選ぶのもまた良しだと思います。
ちなみに、私がロレックスに興味を持ち始めた2005年ごろは、Ref.1016がちょうど100万円くらいだったと記憶しています。
年月の経過による価値上昇は間違い無いので、どうしてもアンティークモデルが欲しい方は「欲しい時が買い時」なのかもしれません。
まとめ
今回も、私のエクスプローラー1に対するこだわりから、長々とした記事となってしまいました。
この記事が、「何が何でもエクスプローラーが欲しい」方の助けになると幸いです。
記事内でも紹介した通り、エクスプローラーは時代ごとに色々なバリエーションがあり、必ずしも現行型が一番いいわけではありません。
それでは、よいシンプルライフをお送りください^^